ドイツ学術情報

  • フンボルト財団(AvH)に新たな会長が就任(10月25日)記事を読む
  • ビューデンベンダー氏、ドイツ国家戦略「固定観念からの解放」の後援者となる(10月20日)記事を読む
  • 研究者がエルゼビア社の編集者を辞任(10月12日)記事を読む
  • 将来の基盤としての学術と研究のさらなる強化(10月10日)記事を読む
  • エクセレンス戦略の第一次選考が終了(9月29日)記事を読む
  • 国際的な流動性を学業に定着させる(9月28日)記事を読む
  • ワイリー社と続くDEALプロジェクト交渉(9月22日)記事を読む
  • 人文科学、文化科学、社会科学を強化(9月20日)記事を読む
  • 国際的なネットワーク構築と協働(9月4日)記事を読む
  • 優秀な人材の新たな集結-マックス・プランクスクールがスタート(9月4日)記事を読む
  • オープンアクセスのための費用を支援(9月1日)記事を読む
  • 連邦議会選挙を控えて:ドイツ大学長会議(HRK)が政党にインタビュー(8月24日)記事を読む
  • 北アメリカで働くドイツ人若手研究者に対してプロモーション(8月15日)記事を読む
  • 連邦奨学金(BAföG)の統計: 奨学生数は減少、奨学金額は増加(8月4日)記事を読む
  • マックス・プランク協会とフンボルト財団が新たな研究賞を創設(7月31日)記事を読む
  • 連邦教育研究省(BMBF)がドイツの教育研究を強化(7月24日)記事を読む
  • クーデター鎮圧から1年:学問の自由に対し極度な制限を受けるトルコの大学(7月14日)記事を読む
  • 学生と研者の流動性は世界的に上昇(7月12日)記事を読む
  • オイゲン&イルゼ・ザイボルト賞受賞者決定(7月7日)記事を読む
  • ドイツ研究振興協会(DFG)新評議員7名を選出(7月5日)記事を読む
  • 学術における男女の雇用機会均等—ドイツ研究振興協会(DFG)の新たな指針(7月5日)記事を読む
  • ドイツ研究振興協会(DFG)が年間レポートを公表(7月5日)記事を読む
  • 学生による難民のための取り組みを表彰(7月5日)記事を読む

 

フンボルト財団(AvH)に新たな会長が就任(10月25日)

神経生理学者であるハンス・クリスチャン・パーペ氏が、フンボルト財団(AvH)の新たな会長として、2018年1月から就任する。彼は、二期目の会長職を終えた後に同財団を去る予定である化学者のヘルムート・シュバルツ氏の後任である。

パーペ氏はミュンスター大学で教鞭をとり、研究を行ってきた。彼は、情動行動の神経生理学的構造分野における優れた研究者の一人であり、特に、不安と不安障害、恐怖と恐怖記憶、睡眠と覚醒のプロセスに関する研究で知られている。この研究により、ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞やマックス・プランク研究賞(AvHとマックス・プランク協会により授与される)などの名誉ある賞を数多く受賞している。研究者としてだけではなく、諮問委員会や助言委員会のメンバーとして、ドイツの国内外で活躍しており、その活躍には、2011年から2017年までのドイツ学術審議会(WR)への参加も含まれる。WRは、ドイツの大学や学術、研究の発展に関して連邦政府や州政府に助言を行う機関であり、彼は、在任期間中に、役員会のメンバーとして学術会議の議長を務めた。また、2017年以降、ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞のドイツ研究振興協会(DFG)による選考委員会のメンバーでもある。

パーペ氏はガブリエル連邦外務大臣により任命され、2018年1月から5年間の任期が始まる。彼の任用については、国際選考委員会による推薦を受け、AvHの評議員委員会により満場一致で決定された。2018年1月18日に開かれるAvHの新年のレセプションにおいて公式に就任する予定である。

 

BMBF: https://www.humboldt-foundation.de/web/pressemitteilung-2017-29.html

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ビューデンベンダー氏、ドイツ国家戦略「固定観念からの解放」の後援者となる(10月20日)

ドイツ連邦共和国のシュタインマイアー大統領の妻であるビューデンベンダー氏が、連邦政府の国家戦略「職業と学業選択への国家協力」の後援者となった。教育界、政界、経済界、学術界が互いに協力しあい、性別による固定観念なしに職業選択を行うことを可能にする。

ドイツの職業訓練市場と、労働市場は未だに、性別により左右されており、職業の適正に関するイメージは、性別による固定観念と強く結びついている。結果として、若者は、特定の職業選択に至ることを余儀なくされ、構造的、経済的及び個人的な不利益を生み出している。連邦政府の国家戦略「職業と学業選択への国家協力」(簡潔にいえば、「固定観念からの解放」)は、性別による職業の分断とその影響を取り除くことを目標とする。個々人の才能は、性別によらず伸ばされるべきであり、労働市場は、性別により左右されるべきではない。この国家戦略は、教育界、政界、経済界、学術界において、ジェンダーフリーの職業及び学業選択のために活動している人々を結びつけている。ビューデンベンダー氏は、「私たちは偏見のない職業選択を実施し、若者が、自らの人生とキャリアを自分自身の判断で築くよう支援しなければなりません。その際、外からの視点は、今一度、全く異なる視野を広げてくれるでしょう。」と、職業選択に際してこの国家戦略に賛同するすべての若者に訴えている。

 

BMBF: https://www.bmbf.de/de/buedenbender-ist-schirmherrin-der-bundesinitiative-klischeefrei-5015.html

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研究者がエルゼビア社の編集者を辞任(10月12日)

ドイツ学術機関連盟とエルゼビア社による交渉の中で、エルゼビア社の編集者や、同社の編集委員会や諮問委員会の役員を辞任する研究者が現れ始めた。それは、研究者たちの、エルゼビア社に対する抗議という意味が込められている。というのは、電子ジャーナルのアクセスに関するエルゼビア社との全国規模でのライセンス契約が不調に終わっているからである。

ドイツ学術機関連盟の代表として交渉を行っているドイツ大学長会議(HRK)のヒップラー会長は、数週間のうちに、上記の研究者と同様に、エルゼビア社の編集者を辞任する意向である他の研究者の名前が公表されると伝えた。

名前が明らかになる編集者の中には、ユーリッヒ研究センターのマークヴァート会長及び、マックス・プランク情報学研究所のメルホルン所長が含まれている。

背景 一年以上前から、ドイツ学術機関連盟はDEALプロジェクトを立ち上げ、エルゼビア社、ワイリー社及びシュプリンガー・ネイチャー社と、電子ジャーナルの出版物に関する全国規模でのライセンス契約に関して交渉を続けている。将来的には、オープンアクセスでの論文出版を予定しており、誰もが自由に無料で寄稿論文を読むことが可能となる。ただし、出版の際には、一回きりだが、費用が生じる。エルゼビア社はこれまでの交渉において、DEALプロジェクトの内容に沿う提案をしてこなかったため、交渉は当分の間中断されることになった。今までに、200の大学や専門大学、研究機関がエルゼビア社の雑誌購読契約を解約した。

 

HRK: https://www.hrk.de/presse/pressemitteilungen/pressemitteilung/meldung/wissenschaftler-legen-herausgeberschaft-von-elsevier-zeitschriften-nieder-4232/

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将来の基盤としての学術と研究のさらなる強化(10月10日)

フンボルト財団(AvH)は、学術界及び産業界の21の機関や協会との連名にて、連邦政府による将来の研究政策に対して声明文を発表した。内容は以下のとおり。

ドイツの経済的成功は、本質的に学術システムとイノベーションシステムの強さに基づいており、現在の社会の豊かさや発展、雇用状態、社会的な統合、そして国際的な競争力の土台となっている。大学や大学以外の学術機関における基礎研究ならびに応用研究は、企業の研究開発事業と同様に、不可欠である。

近年、連邦政府と州政府、経済界、学界は、学術システムとイノベーションシステムを強化するために、数多くの取り組みを行ってきた。中でも、研究開発費が国内総生産の3%にまで増加したことは、極めて画期的である。こうした取り組みのおかげで、ドイツは現在では、学術とイノベーションの両分野において、世界を先導する立場にある。

社会が大きく変動する現代において重要なことは、このような取り組みを保持するだけではなく、それを強化することである。そうすることによってのみ、気候変動やエネルギー転換、人口増減や専門職の人材不足といった社会的な課題を克服し、デジタル化への移行から生まれるチャンスを活かすことができる。

署名機関は、連邦政府並びに州政府に、学術とイノベーションを将来的にも高い優先順位に置くように訴え、一貫して信頼性の高い学術とイノベーション政策の象徴として、研究開発費を2025年度までに国内総生産の3.5%の割合にまで増加させるという目標を支持する。

この目標を達成するにあたり、次のような措置が有用であると考える。 ・プロジェクトの助成を補足し、研究に従事している企業に対する優遇税制の導入 ・学術協定の継続 ・中小企業に開かれたテクノロジー助成プログラムの強化 ・先端研究の強化、イノベーションの促進 ・技術と学術的知見の移転のための新たな手段の活用 ・高等専門教育と質の高い職業訓練の強化

上記の点に加えて、研究とイノベーションの場であるドイツに、新たに立案された法律がどのような影響を与えるかを考えなければならない。将来的に法制化する際に、その法律がもたらす好影響と悪影響について、検討しなければならない。

連邦政府の成長戦略の枠組みの中で、助成の重点は、将来的には、部門横断的にかつ体系的に一貫した方法で、これまで以上に確実に定められるべきである。助成プログラムの透明性や、明快なプロセス、助成活動の徹底的な実施、追跡可能な助成報告によって、関係機関による高度な受諾が達成される。

署名機関は、連邦政府および州政府に、上記の措置を次の議会の会期中に実行するよう訴える。学術の進歩は、次の世代に対して社会的な結束、安定性、豊かさや繁栄を保障する本質的な基盤である。

 

AvH: https://www.humboldt-foundation.de/web/pressemitteilung-2017-25.html

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エクセレンス戦略の第一次選考が終了(9月29日)

ドイツにおける学術研究を強化し、大学の国際的な競争力を高めるプログラムであるエクセレンス戦略に関する決定がなされた。ドイツ研究振興協会(DFG)とドイツ学術審議会(WR)による推薦に基づき、共同学術会議(GWK)により任命されたエクセレンス戦略のための専門委員会が、2017年9月27日、28日にボンで開かれ、88のプロジェクトが最終選考の対象として選ばれた。

今回の選考は今年の4月に、63の大学から提出された195のプロジェクトが対象であり、学術分野における国際的な21の専門パネルにより審査された。DFGは、連邦政府と州政府間での合意に沿ってエクセレンス・クラスターを実施する責任を持つ。

88のプロジェクトは、13州41大学から提出され、そのうち、2大学もしくは3大学間での共同プロジェクトは26ある。約40%のプロジェクトは、エクセレンス・イニシアティブによる助成を受けていたクラスターであり、60%はエクセレンス戦略のために計画されたクラスターである。

今回提出されたクラスターの3分の2が大学以外の研究機関との共同研究を予定している。多くのプロジェクトが学際的な性質のものである。選ばれたプロジェクトのうち最も多い分野は自然科学(31%)であり、工学科学(26%)、生命科学(24%)、人文科学・社会科学(19%)と続く。

第1次ドラフトを通過したプロジェクトについて、2018年2月21日までに、DFGにフルプロポーザルを提出しなければならない。提出されたフルプロポーザルは、2018年の春に国際的な専門パネルにより審査される。専門委員会と連邦政府及び州政府の研究担当大臣により構成されるエクセレンス戦略委員会により、最終的な決定が2018年9月27日に行われる予定である。

エクセレンス・クラスターへの助成は2019年1月1日に開始される予定である。助成期間は7年であるが、再申請が認められたクラスターについてはさらに7年間、助成期間が延長される。エクセレンス戦略に関する実施規定に見積もられている45から50のエクセレンス・クラスターのために、年間3億8,500万ユーロの支援が予定されており、そのうち75%が連邦政府、25%が州政府により拠出される。

エクセレンス・クラスターにおける成功がWRが実施するエリート大学に申請するための必須条件となる。エリート大学に選ばれるために、申請予定の大学は少なくとも2つ(共同研究の場合は3つ)のプロジェクトがエクセレンス・クラスターに選ばれなければならない。申請締め切りは2018年12月10日であり、その後審査が行われ、最終決定は2019年7月19日に行われる予定である。

エクセレンス大学への申請書の様式について、現在ボンで専門パネルによる話し合いが行われ、この申請書様式は、10月の中頃にWRのHP上で公開される予定である。

 

DFG: http://www.dfg.de/service/presse/pressemitteilungen/2017/pressemitteilung_nr_41/index.html

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国際的な流動性を学業に定着させる(9月28日)

カリキュラムの中で外国滞在を取り入れるドイツの大学が益々多くなり、世界中の協定校との国際的なカリキュラムが組まれている。構造化されつつある国際的な流動性とその新たな発展が、ドイツ学術交流会(DAAD)の会議「国際的な流動性の統合–構造化による効果」のテーマである。この会議は2017年9月28日及び29日にベルリンで開催され、DAADのグロートゥス副事務総長が開会の挨拶をする。

2日間に渡り、国際的なカリキュラムの構築と実施に関する講演及びワークショップがカルクショイネにおいて行われる。重点は、構造的な支援プログラム「留学・研修提携プログラム(ISAP)」、「統合的インターナショナルダブル・ディグリープログラム」および「バッチェラープラス」である。

会議では、情報交換やネットワーク構築の場というだけではなく、学習・研究内容とその評価に関するプレゼンテーションや、地域ごと(米国、英国、中国)あるいはテーマごと(同窓会ネットワーク、マーケティング、ファンドレイジング)のグループによるワークショップなどの非常に広範囲なプログラムが提供される。

DAADは、国際的なカリキュラムの構築や拡大、並びに国際的なプログラムを通しての学生と教員の流動性向上を支援する。ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の予算により、DAADは、外国滞在を組み込む予定のカリキュラムを構築する際に、ドイツの大学を助成する。

 

DAAD: https://www.daad.de/presse/pressemitteilungen/de/58036-auslandsmobilitaet-im-studium-verankern/?

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ワイリー社と続くDEALプロジェクト交渉(9月22日)

ドイツ学術機関連盟のDEALプロジェクトに関する代表と、出版社であるワイリー社の代表は、学術論文の出版と閲覧に関する未来志向のモデルについて、引き続き交渉を続けていくことを発表した。その後、DEALプロジェクト運営委員会の代表者であるヒップラー教授(ドイツ大学長会議会長)と、ワイリー社VCHのヘルマン取締役は、この交渉が、建設的で前向きなものであると伝えた。

しかしながら、DEALプロジェクトの複雑さにより、この交渉には時間がかかることから、両機関は2017年12月31日に契約期限が切れてしまう他の大学等のため、暫定措置を講じることで一致した。現在、この措置の詳細について調整中であるが、内容については、近日中に影響を受けている大学等に直接発表される予定である。

DEALプロジェクトとは

DEALプロジェクトとは、ドイツ学術機関連盟により設置されたものである。プロジェクトの一環として、主要な学術出版社の電子ジャーナルに対して、全国規模のライセンス契約を目指している。

ワイリー社とは

ワイリー社は1807年にアメリカ・ニューヨークで創業され、ドイツ拠点としてのワイリー社VCHの他、全ての大陸で支社をもつ。ワイリー社は、研究、出版に関する世界的な企業である。研究分野において、ワイリー社はオンライン上で、1,500以上もの論文を公開し、700以上の専門的な学術論文を発表している。

 

HRK: https://www.hrk.de/presse/pressemitteilungen/pressemitteilung/meldung/verhandlungen-von-deal-und-wiley-gehen-weiter-4221/

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人文科学、文化科学、社会科学を強化(9月20日)

ドイツにおける人文科学、文化科学及び社会科学の研究は、長い伝統を誇り、世界的に見ても評価が高い。激化する国際競争においてもこれらの分野の研究を強化し、実際の要請に応えるため、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は、5年前に初めて、研究助成の重点と目的を定める「人文科学、文化科学及び社会科学」のフレームワークプログラムを立ち上げた。チューリヒ大学のヤーレン教授を筆頭とする独立した専門家グループが一年に渡って評価を行った結果によれば、このプログラムは成功した。この評価によると、BMBFはその助成により、ドイツまたは国際的な学術システムにおいて、人文科学、文化科学及び社会科学を目立たせ、これらの分野の評価を高めた点で大きく貢献した。

人文科学、文化科学及び社会科学における国際化、ネットワーク、そして共同研究を促進するために、BMBFは、フレームワークプログラムを通して、国際的な研究協力を目標に掲げ、若手研究者のためのネットワークや拠点の設立、プログラムの構築の助成を行なっている。その助成内容は、大学が有する所蔵物の再発見から、イスラム教神学の拠点設置、国際的な研究組織「マリア・ジビーラ・メーリアン高等教育センター」の設立、「デジタル人文学」の助成、革新的な情報インフラの構築にまで及ぶ。

今回の評価の目的は、フレームワークプログラムの有効性や助成内容の検証であり、その結果によれば、フレームワークプログラムは総合して、国際社会における研究拠点としてのドイツの魅力を、大きく高めた。BMBFは、学際的な研究テーマに重点を置く他、学術内のコミュニティを強化し、人文科学、文化科学及び社会科学の国際化を推し進めてきた。フレームワークプログラムが助成する教育組織として、ケーテ・ハンブルガー・コレークセンター 、地域研究センター、文化遺産機関が特に成功していると強調されている。また、学際的な共同研究は、フレームワークプログラムによって一層強化された。

 

BMBF: https://www.bmbf.de/de/geistes-kultur-und-sozialwissenschaften-gestaerkt-4835.html

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国際的なネットワーク構築と協働(9月4日)

ドイツの学術機関及びイノベーション機関は、今後、国外でより密接に協力することを目指す。政界、学界、産業界による協働のもと、ドイツ科学・イノベーションフォーラム(DWIH)のための新しい運営組織が9月4日に設立された。この新たな組織の理事会による第1回目の会議に、連邦外務省の他、連邦教育研究省、連邦経済エネルギー省、ドイツ学術交流会 (DAAD)及びドイツ学術機関連盟に加盟するDAADの協力機関が、理事会メンバーとして参加した。その他の理事会メンバーは、ドイツ産業連盟(BDI)とドイツ商工会議所(DIHK)である。DAADは、DWIHの運営管理を担当する。

DWIHは、現在のところ、5つの国外拠点(ニューヨーク、東京、サンパウロ、ニューデリー、モスクワ)を持ち、そこでは、ドイツの学術研究機関が共同で、研究、学術、イノベーション拠点としてのドイツを宣伝する。それに加えて、学術・産業界間のネットワークの構築、関心を持つ研究者への助言や支援も、DWIHの活動の一環である。連邦外務省は、DWIHを今後、DAADを通して支援していく。

DWIHは、ネットワーク活動や出版物及びイベントを通して、テーマごとに関連する情報を提供し、ドイツと相手国の研究機関が関心を持つ、研究・イノベーション分野でのネットワークの構築を目標とする。さらに、ドイツおよび相手国の研究者の共同による具体的な計画に対して、個別に支援策を計画する。このように、DWIHは、学術協力のための情報をワンストップで提供することを目指している。その際に、DWIHは、両国のイノベーションと助成システムについての特別な情報の提供を行う。この情報提供が、ドイツの対外的な学術政策の中心的な要素となっている。

 

DAAD: https://www.daad.de/presse/pressemitteilungen/de/57204-gemeinsam-und-vernetzt-international-agieren/?

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優秀な人材の新たな集結-マックス・プランクスクールがスタート(9月4日)

ドイツは、大学院教育に関して、国際的な影響力をもつ新たなブランドを手に入れる。2018年、選出された3校のマックス・プランクスクールにおいて、5年制の大学院教育課程が試験的に開始される。それぞれのスクールは、ドイツ全土から優秀な人材を、3校のスクールが協力して作る革新的な研究フィールドに集める。このスクール間のネットワークは、世界中の極めて優れた若手研究者の関心を引く際に、ドイツの強みとなることが期待される。

選出された3校とは、マックス・プランク認知学スクール、マックス・プランクフォトニクススクール、マックス・プランク物理学・化学・生活構築学スクールである。この選考結果は、連邦教育研究省(BMBF)のヴァンカ大臣、マックス・プランク協会(MPG)のストラートマン会長、ドイツ大学長会議(HRK)のヒップラー会長によって公表された。この選ばれた3校に協力するのは、21の大学と31の大学以外の研究機関である。このことは、機関の垣根を越えた構想の特徴をよく表している。

大学や大学以外の研究機関の卓越した研究者が機関の枠組みを越えて協力し合っているこのスクールには、世界中の優秀な学部卒業生が、博士号(可能ならば修士号取得を含む)の取得を目指す。スクールで取得可能な学位は、この制度に参加する大学によって授与されることになる。

進歩的な分野の優れた研究者をそれぞれのスクールに集めることで、国際的に優れた大学と共に、スクールの存在価値や国際競争力を高めることを目指す。スクールは、大学院教育における新たな協力関係を象徴している。 これらのスクールは、連邦内や州内でエクセレンス・イニシアティブに選ばれた大学院や、マックス・プランク国際研究大学院(IMPRS)のような、大きな成功を収めた各機関をそのネットワークでもって、補完する。これら3校のスクールは、BMBFから年間900万ユーロの経済支援を5年間受ける予定である。

大学、マックス・プランク協会、フラウンホーファー協会、ライプニッツ学術連合、ドイツ学術連合ヘルムホルツ協会から、それぞれ3名ずつの代表者が、幅広い多様なテーマを持った8つの申請草案について協議を行った。MPGのストラートマン会長とHRKのヒップラー会長を委員長とする選考委員会は、最終的に3校のスクールを選定した。

マックス・プランクスクールは、個々の学術機関の枠組みを越えて運営される組織である。このことは、「マックス・プランクスクール:ドイツの大学と研究機関の共同運営組織」という名称にも現れている。 今回選ばれた3校のマックス・プランクスクールのコンセプトは、実際の運営に則してさらに練り上げられ、それに基づき、パートナー組織間での協定が締結され、その後、公募が国際的な専門誌で行われる予定である。今回の試験段階に対する評価は、マックス・プランクスクールにとって、今後も期待できる新たなスクールの設立や運営、またこのプログラム自体の強化に際して、有益な情報となるだろう。

 

BMBF: https://www.bmbf.de/de/exzellenz-neu-buendeln---start-fuer-erste-max-planck-schools-4729.html

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オープンアクセスのための費用を支援(9月1日)

連邦教育研究省(BMBF)は、支援したプロジェクトの研究成果を、インターネット上で無料で閲覧できるようにするため、研究者が質の高いオープンアクセス出版物を出す際にかかる費用を、新たな助成資金によって支援する。

オープンアクセスでの出版は多くの場合、著者が出版にかかる費用を負担している。研究プロジェクト終了後に出版する場合、出版にかかる費用をプロジェクト費用から支払うことができないため、著者が費用を工面しなければならず、オープンアクセスでの出版の障害となっている。そのためBMBFは、助成したプロジェクトが終了し、オープンアクセスでの出版をする際にかかる費用を、新しく創設した「ポストグラントファンド」でもって支援する。

「ポストグラントファンド」は、BMBFが支援するプロジェクトにおける、いわゆるオープンアクセス条項に従う。研究者(著者)は、この条項により、BMBFから支援を受けたプロジェクトの学術論文を、オープンアクセスで出版することを奨励されている。資金援助により、研究者(著者)は、学術論文を無料で一般の人が閲覧できるように、インターネット上で公開する際の負担が軽減され、それにより、オープンアクセスでの出版がさらに促進される。

 

BMBF: https://www.bmbf.de/de/hilfe-bei-kosten-fuer-open-access-4722.html

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連邦議会選挙を控えて:ドイツ大学長会議(HRK)が政党にインタビュー(8月24日)

ドイツ大学長会議(HRK)は、次回の連邦議会において議席を持つ可能性が高い政党を対象に、連邦議会選挙における、高等教育政策についての試金石となる10の質問をし、その回答をホームページ上で公開している。

高等教育政策における連邦政府の将来的な役割に対して、HRKは昨年の10月に「学術と社会における中心としての高等教育機関」という報告書の中で期待値を設定し、今年の春には「2つの柱+(プラス)」という、2020年以降の高等教育機関のための具体的な資金計画を提案してきた。

HRKのヒップラー会長は各政党からの回答について以下のように述べる。「HRKのコンセプトに沿って、各政党からの回答を比較すると、多くの点で失望させられるものであった。連邦議会選挙後でも、高等教育機関のためにこれまで続けられてきた、充分で確実な支援が、継続されない可能性が高いと考えられる。というのは、大学の資金調達に対する回答が、多くの点であいまいであり、各大学の基本的な資金調達に関して連邦政府による支援は行われないからだ。この点について、私は憤慨している。大学以外の研究機関がここ数年、継続的に重要な利益を得ている一方で、大学の励みになるような、連邦政府による支援策はない。私が特に危惧していることは、学術のデジタルインフラの拡張に関する各政党の構想の乏しさだ。しかしながら、デジタルインフラの拡張は、優先的に国家全体で取り組むべき課題であり、連邦政府が責任を負うべきものである。インフラの拡張は、大学キャンパス運営など、大学にとっての重要なシステムや、資料や出版物に関するアーカイブ、研究データの管理などに関わる。また、デジタルインフラの整備は、大学のデータ、情報セキュリティー、情報リテラシーの強化に関わる。」と述べた。

 

HRK: https://www.hrk.de/presse/pressemitteilungen/pressemitteilung/meldung/heute-in-einem-monat-ist-bundestagswahl-hrk-befragt-die-parteien-4203/

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北アメリカで働くドイツ人若手研究者に対してプロモーション(8月15日)

米国とカナダで働いている若手研究者は、ドイツの学術システムにより、魅力的なキャリア形成につながる機会を提供される。第17回ドイツ研究者国際ネットワーク(GAIN)の年次総会が2017年8月25日から27日にかけて、サンフランシスコで開催される。この総会には、あらゆる学問分野から300人以上の研究者が参加し、参加者たちは、ドイツの学界、政界、産業界を代表する約150人と、今後のキャリア形成に関わるネットワークを築く機会を持つ。GAINの年次総会は、ドイツで学術キャリアをもつ研究者にとって、ヨーロッパ以外で開催される最も大きなイベントである。

2017年の総会は、特に、エクセレンス戦略、高等教育協定、テニュアトラックプログラムといった、ドイツにおける学術政策の最近の展開について焦点を当てる予定である。さらに、ポピュリズムと反科学の動きがますます広がる世界的な政治情勢について議論される予定である。

年次総会は、アレキサンダー・フォン・フンボルト財団(AvH)、ドイツ学術交流会(DAAD)、ドイツ研究振興協会(DFG)により、共同で開催される。大学、大学以外の研究機関、企業、そしてコンサルタント会社は、70のイベントブースを設置し、研究の場としてのドイツの強みを宣伝し、研究者が帰国する際の助言を行う予定である。内容の濃いワークショップや講義を行うことで、参加者たちに、キャリア形成や政治的な枠組みに関する情報とともに議論の場が提供される。総会では、さらに、いくつかのネットワーキングレセプションも開催される。

DAADのヴィンターマンテル会長、DFGのシュトロシュナイダー会長、AvHのシュヴァルツ会長だけではなく、連邦教育研究省(BMBF)のクヴェネット-ティーレン事務次官と、ヘッセン州のライン科学芸術大臣も、イベント開催のホストとして名を連ねる予定である。

GAINについて

GAINはAvH、DAAD、DFGによる共同プロジェクトとして2003年に設立された。BMBFの支援を受け、すべてのドイツの研究機関と協力し、米国とカナダにいるドイツ人研究者を援助し、研究者間及びドイツとのネットワークの構築に努めている。ドイツ人研究者のドイツへの帰国促進のため、GAINはドイツにおける研究の発展に関する最新情報を提供し、大西洋を挟んだ共同研究を促進する。

 

DFG:http://www.dfg.de/service/presse/pressemitteilungen/2017/pressemitteilung_nr_35/index.html

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連邦奨学金(BAföG)の統計: 奨学生数は減少、奨学金額は増加(8月4日)

連邦統計局は、8月4日に2016年の連邦奨学金(BAföG)の統計を公開し、BAföGを受給する大学生及び高校生は、平均して、前年よりも多くの奨学金を受けとったことが明らかとなった。この統計によれば、奨学金の月額平均は再び増加し、その増加額は、BAföGの支援を受けている大学生では16ユーロ(3.6%の増額)、高校生では14ユーロ(3.3%の増額)であった。2015年以降、連邦政府のみから助成を受けるBAföGの2016年における支出額の総額は、約29億ユーロであった。また、2016年の奨学生数は、前年と比較すると5.5%の減少となった。昨年のBAföGを受給する奨学生数の合計は、約23万9000人の高校生と、約58万4000人の大学生を含む、約82万3000人であった。BAföGは、2016年に、入学年度を迎える高校生と冬学期から入学する大学生のために奨学金額を改正した。また、大学生の総数、その中でも2016年に入学した大学生数の増加を受けて、BAföGは、誰もが経済的な理由で、教育を諦めることがあってはならないという目的達成にむけて、引き続き学生を支援していく。

 

BMBF:https://www.bmbf.de/de/bafoeg-statistik-gefoerdertenzahl-sinkt-foerderbetraege-steigen-4562.html

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マックス・プランク協会とフンボルト財団が新たな研究賞を創設(7月31日)

フンボルト財団(AvH)とマックス・プランク協会(MPG)は、新たに共同で研究賞を創設した。このマックス・プランク・フンボルト研究賞の賞金は150万ユーロであり、2018年度以降、将来的な活躍が見込まれる外国人研究者に授与される予定である。

この賞は、傑出していて革新的な国際的研究者を、ドイツの大学や研究機関での一定期間の研究滞在に引きつけることを意図している。受賞者は、ドイツにおける研究活動やネットワークを自由に組み立てることができるようになる。この賞は、AvHとMPGにより毎年2名の研究者に贈られていたマックス・プランク研究賞に代わるものであり、連邦教育研究省(BMBF)からの助成を受けている。

新たなマックス・プランク・フンボルト研究賞では、MPGによる候補者指名委員会が、ドイツの研究機関(大学が好ましい)において、柔軟に設定できる研究滞在に強く関心を持つ外国人研究者を3名選出する。AvH会長やMPG会長を含む選考委員会は、その3名の候補者の中から受賞者を決定する。賞金は150万ユーロであり、受賞者が革新的でリスクの高い研究を行ったり、新たな研究フォーマットを構築する際に役立てられる予定である。また、それとは別に個人的な賞金として8万ユーロが贈られる。この賞は、一年ごとに、自然科学と工学分野、生命科学分野、人文科学分野から、順番で受賞者を選出する予定である。

 

AvH:https://www.humboldt-foundation.de/web/pressemitteilung-2017-18.html

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連邦教育研究省(BMBF)がドイツの教育研究を強化(7月24日)

ドイツに住むすべての人々が、公平に教育の機会を得るにはどうすればよいのか。より一層複雑になりつつある世界の中で、自分の進むべき道を見つけるために、人は何を学ぶべきなのか。移民の社会的統合と障害児のインクルーシブ教育は、どのように改善すればよいのか。デジタル化は個別支援の改善にどのような影響を与えるのか。これらは、連邦教育研究省(BMBF)の新たな「経験的教育研究のフレームワークプログラム」の下で、将来的に対応しなくてはならない課題の一例である。教育研究から得られた知識は、教育関係者にとって重要である。このプログラムは、BMBFによる助成政策の中心であり、研究段階から実践段階への移行を目的としている。BMBFは、この新たなプログラムのために、今後5年間で約2億5,000万ユーロを計上している。

経験的教育研究のフレームワークプログラムは、約10年間を要したこれまでのプログラムに基づく。BMBFは将来的に、4つの活動分野における教育研究を重点的に支援する予定である。その分野とは、教育の機会均等の改善、教育機関における多様性の実現、発展的なデジタル技術の使用、そして教育システムの質の改善である。これにより、保育園、学校、大学における公教育から、職業訓練教育ならびに継続教育や成人教育、そして非公式教育に至るそれぞれの教育段階に、将来的には目が向けられることになるだろう。

 

BMBF:https://www.bmbf.de/de/forschung-fuer-gute-bildung-4524.html

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クーデター鎮圧から1年:学問の自由に対し極度な制限を受けるトルコの大学(7月14日)

トルコで起きたクーデターから1年が経ち、ドイツ大学長会議(HRK)はトルコにおける学問の自由が極端に制限されているとみている。今週になってようやく、メディアは新たな多数の大学関係者の逮捕を報道した。この報道を受け、HRKはこの事態に対して強く抗議し、トルコ政府による抑圧の犠牲者に連帯していくことを表明している。

国際ネットワーク、危機にある研究者のためのネットワーク(SAR)の分析によると、トルコの大学の現状は次の通りである。昨年の7月以降、15の大学が閉校になり、5300人の大学教員が法令に基づき解雇され、生涯、公務員として働けなくなった。同様に、1200人の大学事務職員が解雇された。SARによると、過去12か月間に、少なくとも889人の大学関係者が逮捕されたという。HRKのヒップラー会長は、トルコの大学関係者に対する、政府による抑圧を非常に憂慮している。

 

HRK:https://www.hrk.de/presse/pressemitteilungen/pressemitteilung/meldung/ein-jahr-nach-dem-gescheiterten-militaerputsch-akademische-freiheiten-an-tuerkischen-hochschulen-mass/

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学生と研究者の流動性は世界的に上昇(7月12日)

ドイツの大学に在籍する外国人留学生の数が、2017年に初めて35万5000人を超えた。これにより、2020年までに35万人の留学生を受け入れるという大学及び政策上の目標を現時点で既に突破したことになる。ドイツの外国人留学生数は、過去10年間で総計37%増となった。

ドイツ連邦統計局が出した暫定値によると、ドイツの外国人留学生数は2016年の34万人から現在の35万7800人に上昇した。ドイツは、米国、英国、オーストラリア、フランスに次いで外国人留学生に人気のある留学先である。外国人留学生の最大グループは中国(13%)であり、その後にインド(6%)、ロシア(5%)と続く。

総じて留学生数は世界的に増加しており、それと共に優秀な外国人留学生の獲得競争も拡大している。2014年には約430万人の学生が自国以外の大学に在籍していた。これは、その前年に比して約30万人の増加となっている。他の多くの国と異なり、ドイツは移動の度合いの均衡がとれている点が特徴的である。留学先の国としても送り出す国としても、ドイツは学生や研究者の国際交流にとって重要な国となっている。

2015年には、約14万人のドイツ人学生が学位取得を目的に外国の大学に在籍していた。人気の留学先はオーストリア、オランダ、英国、スイスである。短期の留学先としては、現在でも英国、米国、フランス、スペインに人気がある。現在では、全学生の1/3以上が在学中の一時期、外国で勉強している。ドイツ連邦政府とドイツ学術交流会(DAAD)は、2020年までにこの割合を50%に高める目標を掲げている。

2015年には約4万3000人の外国人研究者がドイツの大学に雇用されており、そのうち約3100人は教授職に就いていた。外国人研究者の数は過去10年で74%増となった。大学以外の研究機関では、2014年は9000人弱の外国人研究者が勤務していた。

刊行物『世界に開かれた学術』(Wissenschaft weltoffen)の中で、今年の重点テーマとして学術エリアとしてのバルト海地域が採り上げられている。バルト海沿岸諸国は躍動的な経済エリアとして発達しており、このエリアは学術および研究の発展と緊密につながっている。この中でドイツは、研究者交流や学生交流について、中心的な役割を担っている。バルト海沿岸諸国は、他のヨーロッパ諸国の大学関係者にとって、渡航先としても人気が出てきたのは注目すべきところである。

 

BMBF:https://www.bmbf.de/de/mobilitaet-von-studierenden-und-wissenschaftlern-steigt-weltweit-4489.html

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オイゲン&イルゼ・ザイボルト賞受賞者決定(7月7日)

日独の学術交流及び文化交流への長年にわたる多大な貢献を讃え、ドイツ研究振興協会(DFG)が授与するオイゲン&イルゼ・ザイボルト賞の受賞者に、免疫学者である鍔田武志教授と建築学者であるトーマス・ボック教授が決定した。「鍔田教授とボック教授は、それぞれの国や研究分野において著名な研究者というだけではなく、他の国においても、専門家レベルで、若手研究者のキャリア形成、委員会の活動や政策助言等、日独間相互理解のための活動を行い、認知されている。」とDFGの副理事長であるベッカー審議委員長は述べた。賞金は1万ユーロであり、2017年10月10日にボンにて授賞式が行われる予定である。

鍔田教授は、長年、日独間の交流と協力の促進を支援してきたことで知られている。ドイツ学術交流会(DAAD)の選考委員会のメンバーとして、東京を拠点としながら、日本人学生のフェローシップ選考に長い間、関わってきた。また、DAADやフンボルト財団(AvH)の日本支部とも緊密に関わり、日本学術会議の連携会員など、多くの科学協会のメンバーとして、ドイツの研究にとって欠かすことのできない役割を担っている。

ボック教授もまた同様に、日独間の交流と協力の促進に従事してきた。例えば、ボック教授は日本の複数の大学と、彼が1997年から在籍しているミュンヘン工科大学との交換留学プログラム創設に深く関わってきた。ドイツだけではなく、EU全体と日本の交換留学プログラムに関しても貢献しており、2002年に開始した、EUの「建築と都市に関する学生の国際交流プログラム」に関して情報学、電気・電子工学、機械構造学、ロボット工学、そして建築学の分野でのプログラムディレクターとして参加している。

オイゲン&イルゼ・ザイボルト賞は、1997年から、隔年で日本とドイツの研究者に贈られる賞である。同賞は、全ての領域の優れた学術業績が対象となるが、人文・社会科学と自然科学の分野から交互に選出され、今回は自然科学と工学分野から選出された。

賞金は、ザイボルト夫妻によって設立された基金から支払われる。海洋地質学者のオイゲン・ザイボルト氏は1980年から85年にかけてDFGの理事長を務めていた。1994年に彼は、アメリカの環境問題専門家レスター・ブラウン氏とともに、環境分野の賞としては世界的に賞金額の高い、旭硝子財団によるブループラネット賞を受賞した。ザイボルト夫妻はブループラネット賞の賞金40万ユーロのうちの15万ユーロで、基金を設立した。この基金は日独間の研究と理解の促進に寄与している。

 

DFG:http://www.dfg.de/service/presse/pressemitteilungen/2017/pressemitteilung_nr_30/index.html

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ドイツ研究振興協会(DFG)新評議員7名を選出(7月5日)

2017年7月5日にハレ(ザーレ)で開かれたドイツ研究振興協会(DFG)の年次総会において新たな評議員7名が選出された。また、6名の評議員の任期を4年延長することが決定した。評議会は、DFGに関わる重要な事柄を審議し、決議する中心的な学術委員会である。

今回選ばれた評議員7名は、工学、生命科学及び人文社会科学の分野からのそれぞれ2名ずつと、自然科学分野からの1名から成る。新しい評議員のうち4名は女性研究者である。39名のメンバーから成る評議会には現在17名の女性研究者が所属している。

以下7名が新たに評議員に選出された。デュースブルク・エッセン大学ヨルグ・シュレーダー教授(建築構造力学)、ビーレフェルト大学ヘルゲ・リッター教授(システム工学)、ベルリン医科大学病院ブリッタ・ジークムント教授(保全医学)、ケルン大学ゲレオン・ルドルフ・フィンク教授(神経科学)、ブラウンシュヴァイク工科大学ウーテ・ダニエル教授(歴史学)、ベルリン社会科学研究センタードロテア・キューブラー教授(経済学)、マックス・プランク高分子研究所(マインツ)ターニャ・バイル教授(分子化学)。

評議会は 会員総会によって採択された基本方針に従って、協議会で審議する事柄以外のDFGに関する重要な事項について、審議し、決議する。評議会には、具体的な助成決定に先立って、専門的判定や評価ならびに採択に関わる決定を下す権限がある。評議会は、どのような審査委員会が作られ、どのように組織されるべきかを決定する。

評議会には計39名の評議員が所属している。会員総会によって評議員として36名が選出され、その36名は、同時に協議会の学術委員でもある。さらに、ドイツ大学長会議会長、ドイツ自然科学・人文科学アカデミー連合代表、マックス・プランク協会代表も評議会のメンバーである。ドイツ研究センターヘルムホルツ協会、フラウンホーファー協会の代表ならびにドイツ学術審議会(WR)の理事長は、評議会の常任客員評議員である。

 

DFG:http://www.dfg.de/service/presse/pressemitteilungen/2017/pressemitteilung_nr_27/index.html

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学術における男女の雇用機会均等—ドイツ研究振興協会(DFG)の新たな指針(7月5日)

ドイツ研究振興協会(DFG)は、学術における男女の雇用機会均等を、新たな内容を付け加えることで、さらに促進しようとしている。ドイツ最大の研究助成機関であり、ドイツ中央学術振興自治組織であるDFGは、2017年7月5日に行われたハレ(ザーレ)の年次総会において、男女の雇用機会均等に関する複合的な決議を行った。この決議はいわゆる「研究関連男女平等スタンダード」設置の流れに沿って、男女の雇用機会均等対策の実施を継続することを図るものである。また、男女の雇用機会均等というテーマは、法定目標であるため、DFGの活動にとって極めて重要な意味を持ち、将来的にも大きな役割を果たす。この決議は、ドイツにおける女性教授と学術の指導的地位における女性の数が、確かに伸びつつあるものの、未だに雇用機会が均等ではなく、遅れをとっているという背景から生じている。

大学における男女の雇用機会均等の強化に関して、DFGはすでに2008年に、会員によりコミットメントとして採択された「研究関連男女平等スタンダード」を導入した。このスタンダードは、DFGにより行われた研究調査が示しているように、男女の雇用機会均等を促進する構造を作り、対策を立てる上で有効であった。すなわち、組織の発展に、このスタンダードが、多くの点で、寄与したことを示しているのである。研究調査によれば、様々な(政治的)イニシアティブやプログラムと共に、「研究関連男女平等スタンダード」もまた、学術システムにおける男女の雇用機会均等の意義を強調する点で大きく貢献している。

研究調査の結果を受けて、年次総会によって設置された研究チームは、「研究関連男女平等スタンダード」の継続を提言した。DGFの会員はこの提言に賛同し、各々のコミットメントを改定した。年次総会において、DFGの会長と理事会は、加盟機関における男女の雇用機会均等が、学術システムと同じくらい重要視されることを歓迎した。

さらに、「研究関連男女平等スタンダード」の継続に関して委員会は、男女の雇用機会均等に関する質の高いコンセプトの作成とその実施を2018年度末までに行うことを決定した。このコンセプトの作成に際して、DFGは、構造的な課題を念頭に、その助成プロセスと手段を調査し、適切な対策によって、男女の雇用機会均等を促進することを目指す。さらに、キャリアと人材育成や、仕事とプライベート、あるいは家庭との両立といった観点への促進活動も調査される予定である。

DFGは、2017年3月にすでに、意思決定委員会とその部会での女性研究者比率を30パーセントにするという目標を定めている。この値は、22パーセントという現在の女性教授の比率を明らかに超えているので、とても高い目標値である。しかしながら、女性研究者の参加に関していえば、DFGでは、専門分野によってはむしろ女性優勢であり、委員会ではすでに22パーセントの割合に到達している。

 

DFG:http://www.dfg.de/service/presse/pressemitteilungen/2017/pressemitteilung_nr_24/index.html

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ドイツ研究振興協会(DFG)が年間レポートを公表(7月5日)

ドイツ研究振興協会(DFG)は、2016年に年間で、3万1,000件以上の研究プロジェクトに対して総額約30億ユーロを助成した。これらのプロジェクトのうち、約7,900件は新規採択されたものであり、約20億ユーロが配分された。前年と比較すると、助成されたプロジェクト件数は3%以上増加し、その助成額は6%以上増加した。これらの数値は、2017年7月5日にハレ(ザーレ)にて開催された、DFGの年次総会の中で提出された2016年の年間レポートによるものである。

2016年のDFGの活動(注目すべき結果と数値)

DFGは、2016年に合計で3万1,485件のプロジェクトを助成した。その助成額の総額は約30億3,300万ユーロであり、67%以上が連邦政府、約32%が州政府によるものであった。2016年の助成額は2015年と比べると1億9,300万ユーロの増加となり、助成プロジェクト数は、1,014件の増加となった。新規採択の件数は、2015年の7,920件から7,933件への微増であるが、助成額は、19億3,000万ユーロから約20億5,000万ユーロへの増加となった。

2016年には、プロジェクトの半数以上、すなわち1万5,902件が個別助成プログラムであった。これらのプロジェクトに対する助成額の総額は約10億ユーロであり、2015年と比較すると、1億1,000万ユーロの増加となった。リサーチ・トレーニング・グループなどの共同研究プログラムで助成されているグループは816あり、それらのグループによるプロジェクト件数はおよそ1万3,300件であった。それに対する助成額は合計で約10億2,500万ユーロであった。エクセレンス・イニシアティブのプロジェクト件数は99件であり、その助成額は約5億3,300万ユーロであった。

分野別の助成額構成をみると、2016年は生命科学分野が最も多くの助成額を獲得し(総額の34.7%)、その助成額は約10億ユーロであった。それに続いて、自然科学分野の6億6,500万ユーロ(21.9%)、工学分野の5億8,500万ユーロ(19.3%)、人文社会科学分野の4億6,800万ユーロ(15.4%)となった。分野横断的なプロジェクトへの助成額は2億6,300万ユーロ(8.7%)であった。

この年間レポートは書籍としても刊行され、上記の内容以外の統計に加えて、採択されたプロジェクトの内容、助成活動の焦点となる領域、研究システムや科学政策に関するDFGの取り組みについても説明している。エクセレンス・イニシアティブに重点を置いていた前年と同様に、2016年は、そこから発展したエクセレンス戦略とそのプログラムについて、重点的に説明している。しかしながら、DFGのシュトロシュナイダー理事長とツヴォニク事務局長が「多くの助成プログラムの中から、最もよい知識先導型の研究に対して、DFGは助成を行っている。」とレポートの前書きに書いている点からも、エクセレンス戦略だけがDFGの焦点となっているわけではないことは明らかである。

シュトロシュナイダー理事長とツヴォニク事務局長は、ドイツとその他の国々の研究をとりまく現状について、前書きの中で言及している。ドイツの学術活動全体と同様に、DFGの活動は、「広範囲の政治的信頼と公的な信頼」を享受した。「権威主義者や大衆主義者による、学術とその自由への侵害を、世界中で増々多く目にするようになったが、DFGの状況は、これとは明確にいい意味で異なっている。我々の研究システムの公平さと多元主義を評価し保護することは、より重要となっている。」と述べられている。

DFG:http://www.dfg.de/service/presse/pressemitteilungen/2017/pressemitteilung_nr_23/index.html

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学生による難民のための取り組みを表彰(7月5日)

「ウェルカム‐学生による難民のための積極的参加」プログラム(ウェルカムプログラム)において、連邦教育研究省(BMBF)により、学生による優れた取り組みに贈られる賞に、3つのプロジェクトが第1回目の受賞プロジェクトとして選ばれ、7月5日に表彰された。ドイツ学術交流会(DAAD)はBMBFからの援助を受け、2016年以来、ウェルカムプログラムによる、学生の取り組みを支援している。このプログラムの目的は、ドイツの大学進学に興味を持つ難民に大学コミュニティとの繋がりを持たせ、それによって彼らの大学での第一歩を支援することである。

難民のための包括的な対策の一部として、DAADはBMBFの支援を受けて、ウェルカムプログラムを構想した。このプログラムの中で、学生による難民のための様々な取り組みが行われ、2016年には約450のプロジェクトに対して900人以上の学生が参加し、DAADにより支援された。語学学習の手助けやオリエンテーションセミナー、法律相談など、学生は難民に多様な支援を提供する。BMBFとDAADはウエルカムプログラムの中から傑出したプロジェクトを選び、彼らの素晴らしい取り組みを讃え、賞金として1万ユーロ、5000ユーロ、3000ユーロをそれぞれ授与した。

 

BMBF:https://www.bmbf.de/de/studentische-initiativen-fuer-gefluechtete-ausgezeichnet-4448.html

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