ドイツ学術情報(過去の分)

2015年

2015年-数字で見る教育と研究(12月28日)

連邦教育研究省(BMBF)は、2015年の教育研究に関する成果等をまとめ、公表した。主な内容は以下のとおりである。

  • 2015 年から 連邦政府が連邦教育促進法(BAföG)を全額負担することで、州政府の財政負担は約12億ユーロ軽減した。さらに連邦政府は、2016年の連邦教育研究 省(BMBF)予算を新たに11億ユーロ増の164億ユーロにするなど、引き続き徹底的に教育と研究に投資する。
  • 連邦統計庁によると、2015年の新入生は微減の503,600人であったが、2015-2016冬学期には280万人が学生登録をしており、これは過去最高記録である。また、320万人を超える留学生数も過去最高となった。
  • 連邦政府は今後10年間に10億ユーロを拠出し、テニュアトラック(終身雇用)の教授ポジションを増やす意向を示した。また、若手研究者の雇用環境改善のために、学問有期労働契約法(WissZeitVG)を改正した。
  • ドイツの大学及び高等教育機関等の新入生の40%が、理系に進学しており、OECD加盟国平均の26%を大きく上回っている。
  • BMBFは、ドイツの大学に保管されている学術的価値のある所蔵品の学術的利用を促進すること等を目的として、750万ユーロを助成している。
  • 欧州委員会によって、ドイツのイノベーション力はEU内で第4位であると示された。

BMBF:www.bmbf.de/de/das-bildungs-und-forschungsjahr-2015-in-zahlen-2261.html

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外国の大学で卒業を目指すドイツ人学生が13万人を超える(12月21日)

2013年の統計によると、13万4,500人のドイツ人学生が大学卒業のために外国で学んでおり、その数は2002年の2倍以上に上った。

滞在国は、オーストリア、オランダ、イギリス、スイス、アメリカが上位であり、特にイギリスにおけるドイツ人学生は、学費の上昇にも関わらず、前年に比べ14.1%増の1万5,700人となっている。

また、アジアで学ぶ学生も増加し、海外で学ぶ学生の6%がアジアの大学に通っており、うち584人は日本で学んでいた。

DAAD: www.daad.de/presse/pressemitteilungen/de/40709-immer-mehr-deutsche-studieren-ausserhalb-von-europa/

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ドイツ研究振興協会(DFG)が新しい図書情報サービスを支援(12月21日)

ドイツ研究振興協会(DFG)は、新たに21の学術機関の図書館において、人文科学、社会科学、地球科学を含む幅広い専門情報サービスへの助成を発 表した。予算額は2,120万ユーロで、特殊文献提供や情報提供サービス構築のための助成となっており、これによってドイツにおける研究と学術のための図 書館のサービスを強化することを目的としている。

DFGは、効率のよい情報インフラへの要求は非常に細分化している一方、不均一である既存インフラをこの助成によって整備し、ドイツのトップレベルの研究のために貢献できるとしている。

DFG: www.dfg.de/service/presse/pressemitteilungen/2015/pressemitteilung_nr_63/index.html

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政府の公的教育に対する支出額が大幅に増加(12月17日)

2008年に連邦・州政府が、国内総生産の10%を教育と研究のために支出することを合意して以降、公的教育支出は30%以上増加し、2015年の予算額は、地方自治体も含めて1,237億ユーロに達した。

特に、2015年の連邦政府の教育支出予算額は91億ユーロに上り、2008年の51億ユーロに比べ80%強の増額となっている。
また、2015年から連邦教育促進法(BaföG)の奨学金を連邦政府が全額負担することになり、州政府の財政負担が軽減されたため、その余剰金を州内の大学に対する経費として使うことが可能となった。

BMBF: www.bmbf.de/de/fast-jeder-5-oeffentliche-euro-fuer-hochschulen-kommt-vom-bund-2232.html

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フンボルト財団(AvH)が迫害を受けている研究者のための助成を開始(12月15日)

フンボルト財団(AvH)は、戦争や迫害によって母国を逃れ、ドイツで研究することを希望する研究者を支援するため、連邦外務省による助成金であるフィリップ・シュバルツ招へい事業の公募を開始した。

この事業は、ドイツの大学や研究機関が、迫害を受けている研究者を受け入れるための助成プログラムで、支援期間は2年間である。また、大学や研究機 関で危機 的な状況にある研究者の情報を交換するためのプラットフォームも構築される予定であり、関係する会議や助成金等の情報も共有できるようになる。

AvHは、連邦外務省からの支援が終わった後も事業を継続していくことを目指している。

AvH: www.humboldt-foundation.de/web/pressemitteilung-2015-25.html

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2015-2016冬学期の入学制限が減少(12月15日)

ドイツの2015-2016冬学期における入学制限※の平均が、昨年の49.5%から46.1%に減少し、ザールラント州を除く全域で入学制限が減少した。

平 均より入学制限が高いのは、ハンブルク州(約80%)、バーデン=ヴュルテンベルク州、ブレーメン州及びザールラント州(60%強)等であり、平均以下で あるのは、ヘッセン州(43.5%)、ラインラント=プファルツ州(32.1%)、バイエルン州(31.6%)、東部5州となっており、テューリンゲン州 の12.8%が最も入学制限が低い、という結果が示された。

ドイツ大学長会議(HRK)のヒップラー会長は、理由は様々であるとしながらも、「決定的な要因は、州により異なった財政政策と大学進学希望者の需要状況である」と述べた。

HRK:www.hrk.de/presse/pressemitteilungen/pressemitteilung/meldung/neue-hrk-daten-zulassungsbeschraenkungen-leicht-ruecklaeufig-grosse-unterschiede-zwischen-laend/

※ドイツの特定の大学・学部等において、入学希望者が受入可能な生徒数を上回った場合、入学制限を設けることが認められている。(日本学術振興会海外センターレポート「ドイツの高等教育機関」より要約)

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ドイツ研究振興協会(DFG)が難民科学者の研究グループへの受入れを支援(12月11日)

ドイツ研究振興協会(DFG)は、DFGが助成する既存の研究プロジェクトに、難民である科学者の受入れを支援することを発表した。

DFG に採択された研究プロジェクトに研究者である難民を受け入れるために、各種の選択肢が用意されている。難民を短期間受け入れる場合には、招へい助成金を追 加申請することができる。すでにキャリアを確立している研究者を長期で受け入れる場合は、滞在費や旅費だけでなく報酬も含む「メルカトル・モジュール」を 利用することができる。どちらの助成もDFGに採択されている全ての研究グループが申請でき、難民の受け入れ数によって補助金額が決まることになってい る。

また、若手研究者が優れた研究環境で博士号を取得するための博士課程プログラムやその他のDFG助成プロジェクトについても、難民である研究者に門戸を開くことで、積極的に難民の受け入れを進める方針である。

DFG会長は、DFGとして効果的で柔軟な財政枠組みを作り、学術界や社会への難民受け入れに貢献したい、としている。

DFG:www.dfg.de/en/service/press/press_releases/2015/press_release_no_59/index.html

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旧東ドイツの大学の新入生の3人に1人が旧西ドイツ出身(12月8日)

連邦統計庁によると、旧東ドイツの大学への新入生の3人に1人が旧西ドイツ出身だということが示された。10年前には6人に1人、8年前には5人に1人にも達していなかったが、近年では旧東ドイツ側から旧西ドイツ側の大学への入学者数も以前に比べると減少している。

この結果に大きく貢献したのが、2008年からのキャンペーン“ Mein Campus von Studieren in Fernost(私の東のキャンパス)“である。これによって、旧東ドイツの大学紹介、体験講義、学習アドバイス等を行い、旧西ドイツの学生の取り込みに 寄与した。なお、このキャンペーンは2015年に終了した。

BMBF:www.bmbf.de/de/jeder-dritte-studienanfaenger-im-osten-ist-aus-dem-westen-2149.html

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2020年までにドイツの大学卒業者の50%に海外留学経験を(12月8日)

連邦・州政府とドイツ学術交流会(DAAD)は、2020年までにドイツの大学卒業者の50%が海外留学を経験している状況を目指し、学生に向けて広く周知し、海外留学への興味を促すためのキャンペーンを行う。

このDAADのキャンペーンは、17歳~27歳の若者を対象として、ソーシャルメディア等で参加者を募集しており、海外留学中の学生による留学先での留学経験に触れる機会を提供している。

DAAD:www.daad.de/presse/pressemitteilungen/de/40191-ja-zu-studienaufenthalten-im-ausland/

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ポスドク研究者向け国際流動プログラム(P.R.I.M.E.)の成果(12月7日)

2014年に開始されたドイツ学術交流会(DAAD)によるポスドク研究者向け国際流動プログラム(P.R.I.M.E.)によって、研究者は海外に1年間研究滞在することができる。

11月には3回目の募集が始まり、採用された研究者は18か月の助成期間の間、ドイツの大学にポストを持ったまま海外で1年間の研究滞在を行うの で、滞在中も ドイツの大学と連携を取ることができ、帰国後もスムーズに派遣元に戻ることが可能となっている。この助成を受けた研究者の多くが、帰国後准教授に昇格して いる。

DAAD:www.daad.de/presse/pressemitteilungen/de/40304-neues-daad-konzept-zur-foerderung-des-wissenschaftlichen-nachwuchses-erfolgreich/

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