ドイツ学術情報

  • ワイリー社とDEALプロジェクトがパートナーシップを締結(1月15日)記事を読む
  • 2019年ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞(Gottfried Wilhelm Leibniz-Preis)受賞者が決定(12月6日)記事を読む
  • シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトが交渉で大きく前進(12月4日)記事を読む

 

ワイリー社とDEALプロジェクトがパートナーシップを締結(1月15日)

ワイリー社とDEALプロジェクトは、ドイツにとって画期的なパートナーシップを締結した。本パートナーシップは、新たな出版モデルを試験的に導入すること、研究者がワイリー社のジャーナルを通じてより知識を構築・普及できるようにすること、DEALプロジェクト参加機関がワイリー社の学術ジャーナル・ポートフォリオへ今後もアクセスできるようにすることを目的としている。

1月15日(火)、研究と教育におけるグローバル・リーダーであるワイリー社は、ドイツの約700学術機関を代表するDEALプロジェクトと、ドイツ全国規模のパートナーシップ契約を発表した。この革新的な3年間の契約により、DEALプロジェクトが1年ごとに年会費を支払うことで、すべての参加機関がワイリー社のジャーナルを1997年まで遡って閲覧すること、参加機関の研究者が同社のジャーナルへオープンアクセスで投稿することが可能となる。本パートナーシップは、オープンサイエンスの推進、学術的発見の推進、知識の構築と普及において、ドイツの学術機関と研究者をさらに支えるだろう。

学術研究全体の発展を支援するため、ワイリー社とDEALプロジェクトは、パートナーシップの一環として3つのイニシアティブを立ち上げる。まず、フラッグシップとなる新たなオープンアクセスジャーナルの創刊である。この学際的ジャーナルは、グローバルな研究コミュニティの最上層による学識を公開し、新たなオープンアクセス・モデル開発のための独自のフォーラムを提供するだろう。次に、出版への新たなアプローチを導入・促進することを目的とした、オープンサイエンスのための著者向けサービス開発グループの設置である。最後に、ドイツの若手研究者を対象とし、研究コミュニケーションの未来に関する最先端のアイディアを浮上させることを目的とした、新たな年次シンポジウムの開催を予定している。

ワイリー社のJudy Verses副社長は次のように述べている。
「ワイリー社は、DEALプロジェクトとのこの重要なパートナーシップを締結することに興奮している。このパートナーシップおよびその一環のプロジェクトは、研究コミュニティへのワイリー社のコミットメントを反映している。学術研究の推進や、知識構築の促進が広範囲で継続的な良い影響を社会にもたらすという考えを、ワイリー社と研究コミュニティは共有している。ワイリー社とDEALプロジェクトは共に、知識が構築され、よりオープンに共有される仕組みを改善し、リードしていくために協力し合えると考えている。」

HRK前会長であり、DEALプロジェクト運営委員会の議長でもある、DEALプロジェクトのHorst Hippler代表は、次のように述べた。
「今回の合意により、金字塔を打ち立てた。私たちは、公正な価格のモデルという核心的な目標を達成した。これにより、我々は財政的に持続可能なやり方で、研究をアクセス可能にした。オープンアクセス出版への道をワイリー社とともに歩むことは、革新的である。最終契約の署名にあたり、マックス・プランク協会の協力に感謝したい。」 DEALプロジェクトとワイリー社との契約のために、DEALプロジェクトを支援するドイツ学術機関連盟のマックス・プランク協会はMax Planck Digital Library Services株式会社を設立した。

マックス・プランク協会のMartin Stratmann会長は、次のように述べた。
「DEALプロジェクトを支援するドイツ学術機関連盟からの要請を受けて、ワイリー社とのドイツ全国的な契約をまとめ、実行に移すことができて、私たちは嬉しく思う。これは、マックス・プランク協会が、学術雑誌へのオープンアクセス促進、新たな学術出版方法への投資、研究者の学術記事の著作権を守るために長年実施してきた、OA2020のような取り組みに一致している。」

 

HRK: https://www.hrk.de/press/press-releases/press-release/meldung/wiley-and-projekt-deal-partner-to-enhance-the-future-of-scholarly-research-and-publishing-in-germany/

先頭へ

 

2019年ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞(Gottfried Wilhelm Leibniz-Preis)受賞者が決定(12月6日)
ドイツで最も重要な研究賞/2019年3月13日ベルリンで授賞式開催予定

ドイツで最も権威ある研究賞の受賞者が発表された。12月5日にボンで開催されたドイツ研究振興協会(DFG: Deutsche Forschungsgemeinschaft)協議会により、2019年ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞受賞者10名(うち男性6名、女性4名)が決定された。受賞者は、122名の候補者の中から審査委員会により選ばれた。受賞者10名のうち、3名は人文社会系、3名は生命科学系、2名は自然科学系、2名は工学系である。受賞者はそれぞれ賞金250万ユーロを受け取る。この賞金は、受賞者が研究活動のために任意の方法で、最長7年間使用することができる。授賞式は、2019年3月13日にベルリンで開催される。

2019年ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞受賞者氏名(分野、所属機関)は下記の通り。

  • Prof. Dr.-Ing. Sami Haddadin(ロボティクス、ミュンヘン工科大学)
  • Prof. Dr. Rupert Huber(実験物理学、レーゲンスブルク大学)
  • Prof. Dr. Andreas Reckwitz(社会学、ヴィアドリナ欧州大学)
  • Prof. Dr. Hans-Reimer Rodewald(免疫学、ドイツがん研究センター)
  • Dr. Melina Schuh(細胞生物学、マックス・プランク生物物理化学研究所)
  • Prof. Dr. Brenda Schulman(生物化学、マックス・プランク生物化学研究所)
  • Prof. Dr. Ayelet Shachar(法学・政治学、マックス・プランク多宗教・多民族社会調査研究所)
  • Prof. Dr. Michèle Tertilt(経済学、マンハイム大学)
  • Prof. Dr. Wolfgang Wernsdorfer(実験固体物理学、カールスルーエ工科大学)
  • Prof. Dr.-Ing. Matthias Wessling(化学工学、アーヘン工科大学、ライプニッツ研究所)

 

ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞は、1986年以降DFGにより毎年授与されている。毎年最大10件が選ばれ、それぞれ250万ユーロの賞金が贈られる。2019年の10件を含め、これまでに368件の賞が授与されてきた。全受賞件数のうち、120件は自然科学系、106件は生命科学系、85件は人文社会系、57件は工学系であった。特別なケースでは共同受賞があるため、受賞者数は受賞件数よりも多くなっている。これまでの受賞者数合計は395名(うち男性339名、女性56名)である。

ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞はドイツで最も重要な研究賞である。過去の受賞者7名が、その後ノーベル賞を受賞している(1988年ノーベル化学賞Prof. Dr. Hartmut Michel、1991年ノーベル生理学・医学賞Prof. Dr. Erwin Neher, Prof. Dr. Bert Sakmann、1995年ノーベル生理学・医学賞Prof. Dr. Christiane Nüsslein-Volhard、2005年ノーベル物理学賞Prof. Dr. Theodor W. Hänsch、2007年ノーベル化学賞Prof. Dr. Gerhard Ertl、2014年ノーベル化学賞Prof. Dr. Stefan W. Hell)。

 

DFG: http://www.dfg.de/en/service/press/press_releases/2018/press_release_no_55/index.html

先頭へ

 

シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトが交渉で大きく前進(12月4日)

シュプリンガー・ネイチャー社(Springer Nature)とドイツ学術機関連盟によるDEALプロジェクトは、学術論文のパブリッシュ&リードに関する画期的なシステムについての交渉を大きく前進させた。これは、DEALプロジェクトのHippler代表、シュプリンガー・ネイチャー社の欧州の営業を統括するLaging副代表により共同で発表された。シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトは、遅くとも2019年中頃までの交渉成立を目指す。

両者は、交渉の中間段階として、コスト・ニュートラルによる2019年の現行契約の延長に再度合意した。これにより、複雑な契約モデルについての議論を結論付けるまでに必要な時間が確保される。また、シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトは、学術機関や研究者に対して、シュプリンガー・ネイチャー社のコンテンツへの継続的なアクセスを安定して提供することを目指している。

Hippler代表は次のように述べている。
「私たちは、2019年中頃までに、シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトとの最終的な交渉が成立することを確信している。2018年から2019年にかけてのコスト・ニュートラルによる延長は、両者の良好な関係を表している。」

Laging副代表は次のように述べている。
「過去数か月間、DEALプロジェクトとの交渉は大きく前進し、今やゴール直前である。両者が合意した現行契約のさらなる延長により、あらゆる関係者が旧体制から新体制へスムーズに移行できるよう、実際の施行に集中するのに必要な時間が与えられている。」

 

HRK: https://www.hrk.de/press/press-releases/press-release/meldung/springer-nature-and-deal-considerable-progress-in-negotiations-4472/

先頭へ