ドイツ学術情報

大学間協力に対するBrexitの影響(2月28日) 記事を読む

大学の国際化を通じた変化の形成の支援(2月27日) 記事を読む

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)、DAADのプログラムを通じて教員養成課程の国際化を推進(2月21日) 記事を読む

デジタル化、欧州と価値共有(2月14日) 記事を読む
 

大学間協力に対するBrexitの影響(2月28日)

英国は2020年1月31日に正式にEUを離脱した。英国という、高等教育と学術協力の分野における重要なパートナーがEUを去った。Brexitが意味するものとは、変わらないもの、変わるものは何か?DAADにおける大学間交流のための国家機関の新しい長であるStephan Geifes博士への3つの質問。

Geifesさん、英国の撤退は高等教育関係、特にErasmus+にとって何を意味すると考えるか?

EUと英国間の協定では、英国は現在実施中のプログラムが終了するまでErasmus+に参加することを定めている。したがって、2020年の公募に基づく事業の可動性は、2022年まで資金面において保持され、2023年までプロジェクトベースで確保されている。要するに、ドイツの大学は、当面の間は何の変更も無しに、Erasmus+を介して学生、教師、管理スタッフを英国に送ることができる。ただし、2021年以降に追加のビザ申請が必要かどうかは、EUと英国の間で彼らの協力関係の形に関する今年の交渉中に明らかになる予定である。もちろん、このことに関する情報はすぐに提供する予定だ。

2021年以降の新世代のErasmus+プロジェクトに対するBrexitの影響は何か?

英国という、主要な純貢献者がEUを離脱した。現在、収入と支出の再交渉が行われている。私たちは現在、このような事情に直面した複数年に及ぶ財務フレームワークに関する交渉がいかに困難であるかを目の当たりにしている。これはErasmus+にも影響する。具体的には、EU委員会と欧州議会によって発表されたErasmus+の計画額の増加が疑問視されていることだ。EU委員会、欧州議会、国家・政府首脳がどのように合意に達するかについては、今後明らかになるだろう。

英国がErasmus+に参加し続ける可能性はどれほどか?

EUと英国間の交渉は、英国が他の非EU諸国と同様、2021年以降もErasmus+に参画し続けるかどうか、ということのために重要である。私たちは英国がErasmus+に参画し続けることを明確に望んでいます!英国は、欧州中の学生にとってセメスター留学、特にインターンシップなどから、魅力的な場所である。新世代のErasmus+プログラムと、Horizon2020のフォローアッププログラムであるHorizon Europeは双方とも、欧州の一般的な高等教育分野においてふたつの重要な柱である。私の考えでは、これらふたつのプログラムへの将来的な英国の参画は、絶対に一緒に交渉されるべきだ。

https://www2.daad.de/der-daad/daad-aktuell/de/75962-brexit-folgen-fuer-die-hochschulzusammenarbeit/
 

大学の国際化を通じた変化の形成の支援(2月27日)

大学には社会的責任がある。 グローバルな課題を考慮すると、学術研究と教育のより強力なネットワークはこれまで以上に重要である。DAADの研究プログラム「社会のための高等教育の国際化(IHES). コンセプト、現在の研究とグッド・プラクティスの実例」は、大学における国際化が社会に対して果たす役割について考察している。
 

国連気候変動サミットは、気候変動を遅らせるためのより強力な措置を講じるよう、政策決定権者たちに対する動機づけを繰り返し試みている。例えば、パリの気候保護目標は、CO2排出量の削減を目的とする新しい法案や規則に関して、現在のドイツの方針を決めている。しかし、政治だけではこの国際的な社会的課題を解決することができない。科学者間の国際協力が必要である。「気候変動、地球システム、エネルギー転換などの研究分野は、ますます重要になっている。」と、フランス―ドイツ共同プログラムの「私たちの惑星を再び偉大に(MOPGA)」のプレゼンテーションの際に、DAAD事務局長のDorothea Rüland博士は説明している。「これは地球の未来と、地球規模の気候変動の影響を感じることになる未来の世代に対する責任に関するものである。」このように、DAADは国際化と大学の社会的責任が研究や教育と同様に重要であることを明確にしている。MOPGA-GRI、フランスのイニシアティブであるMOPGAへのドイツの参画は、パリ気候協定の目標達成の助けとなることを目的としている。それだけではない。Rüland博士によれば、「このプログラムは、ドイツの大学と参加している非大学研究機関の国際化にも貢献する。MOPGA-GRIを通じて、優れた科学者をビジネス拠点としてのドイツに引き寄せ、彼らがドイツとヨーロッパの大使としても活動するように世界中の研究者とネットワークを構築する。」
 

「大学は社会の一部」

しかし、課題は気候変動だけではない。「第三の使命」である大学の責任は、すべての社会的課題の解決にコミットすべきである。なぜなら、学術界はもはや孤立したものとして捉えられないからである。「DAADがサポートするすべてのプロジェクトは社会、つまり社会的責任とも関連している。結局のところ、私たちのファンディングの受領者、すなわち大学、学生、研究者は社会の一員である。」と、DAADの外部調査・統計の専門家であるJan Kercher博士は述べる。「しかしながら、大学の外側の社会は、プロジェクトの実際のターゲット・グループとして、国際化対策に直接関連することはほとんどなかった。DAADは大学が社会的責任を負うように、変革し、モチベーションを与えたいと考えている。次のステップとして、私たちは直接的な社会的つながりのあるプロジェクトのためのDAADのポートフォリオの全容を調査したいと思っている。これらのアプローチをどのように拡張できるか、また、方向付けの基礎として活用できる良い例は何かを自問している。」これらの質問への回答は、IHES研究によって提供されていて、これは大学の国際化と社会的責任という2つのトピックを初めて組み合わせたものである。
 

「研究と教育はそれ自体で完結するわけではない」

しかしながら、大学が世界的な課題の解決にもっと関与すべきであることは間違いない。「大学には社会的使命がない、ということは絶対にありえないことだ。研究と教育は決してそれそのものが目的であるわけではない。」と、DAADを代表してIHES研究に取り組んだプラハのGlobal Impact Instituteのマネージング・ディレクターであるUwe Brandenburg准教授は述べている。「世界中の約2,000の大学は、国連の持続可能な開発目標は大学の助けを借りなければ達成できないと言っている。」
 

モデルケース的性質の国際プログラム

これらの模範的なプログラムは、大学の国際化と社会的責任が実際にどのように影響するかを示す。
 

「私たちの惑星を再び偉大に(MOPGA)」

この仏独共同プロジェクトはエマニュエル・マクロンに端を発する。彼はフランス大統領として、パリ気候協定の目標に貢献することを奨励した。DAADは、連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung :BMBF)が1500万ユーロを提供しているドイツの分担部分について促進している。DAADはドイツの研究機関で4年間働く13人の国際的な科学者を招聘した。定期的に行われる二国間会議にて、ドイツとフランスは、気候、エネルギー、地球システム全体を包括するような国際的な研究を強化するために、持続可能なネットワーキングを可能にしたいと考えている。研究結果は政策決定権者への提言として役立つ。
 

「欧州が前例を作るEuropa macht Schule」

このプログラムは、欧州人の間での自主的な出会いを促進することを目的としている。そのうえ、欧州全域からの招聘学生は、固定概念を改められた見解で解消するために、ドイツの学校において創造力に富んだ方法で彼らの祖国をプレゼンする必要がある。このプログラムは現在ドイツの35の大学拠点において存続し、”Europa macht Schule社団法人”協会とEU大学協会機構の協力を得て実施されている。
 

「PAGEL:発展途上国の健康のためのパートナーシップ」

一部の発展途上国では、専門スタッフと看護スタッフが不足している。これに対応するため、PAGELは医療分野でのトレーニングと更なる教育機会の改善を望んでいる。つまるところ、不十分なヘルスケアは貧困の増加に繋がる。このプログラムにより、DAADは先進国の大学とのパートナーシップを通じて、発展途上国の大学のカリキュラムと能力開発を強化したいと考えている。PAGELのさらに重要な要素は、海外で高等教育を修了した関係国の卒業生の帰国の促進である。
 

社会の国際化特集

英語の学術雑誌「国際教育学ジャーナル(JSIE)」は、社会の国際化に関する特別な号を計画している。2020年6月1日までに、高等教育が今後30年間で社会に有意義な貢献をする方法を説明する記事を投稿できる。
 

プラハでのIHES会議

4月22日から24日まで、プラハでDAAD研究事業「社会のための高等教育の国際化(IHES)」に関する会議が開催される。課題は、国際化は大学連携の中心的な要素になるかどうかである。基調講演者の中にはDAAD事務局長のDorothea Rüland博士がおり、彼女はハンブルク工科大学、ライプツィヒ大学、ライプニッツ熱帯海洋研究センター(ZMT)との協力による「私たちの惑星を再び偉大に(MOPGA)」プロジェクトを発表する予定だ。

https://www2.daad.de/der-daad/daad-aktuell/de/75937-durch-internationalisierung-der-hochschulen-den-wandel-mitgestalten/
 

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)、DAADのプログラムを通じて教員養成課程の国際化を推進(2月21日)

BARIは「研究インターンシップのためのバルト海学術ネットワークモビリティプログラム」の略称である。このプログラムは、博士課程の学生にバルト海地域での研究インターンシップのために修士または学士の学生を雇う機会を提供する。

新しいBARIプログラムは、バルト海地域の科学者を対象としている。研究インターンシップを割り当てられている博士課程の学生は2020年3月8日まで応募可能だ。2020年2月29日から3月31日まで、修士課程学生及び学部学生はこれらのインターンシップに応募する機会を得られる。BARIは、ライフ・サイエンス、中性子・光子研究及び福祉国家を研究分野とする学生を対象としている。研究プロジェクト上の協働を通じて、国籍間の個人的な連帯を促進することと、研究と学術協力への関心を呼び起こすことを目的としている。インターンシップの期間中、参加者は研究及び研究室業務におけるプロジェクトを支援する。彼らは、当該地域との連帯を強化するため、バルト海地域の研究グループ、研究室、博士課程学生によって指導される。使用言語は英語である。

BARIはバルト海学術ネットワーク(BSN)の共同イニシアティブである。デンマーク、エストニア、フィンランド、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、スウェーデン、ロシア、およびオブザーバーとしてベラルーシが含まれる。研修生は最大3か月分の奨学金を受け取る。

BARIを所掌するDAADは、RISEプログラムに基づいたモビリティプログラムを設計・実装した。「科学とエンジニアリングの研究インターンシップ」により、DAADは英語圏の自然科学分野とエンジニアリング・サイエンス分野の国際交流を支援する。

https://www2.daad.de/der-daad/daad-aktuell/de/75888-neues-mobilitaetsprogramm-fuer-forschung-im-ostseeraum-/
 

デジタル化、欧州と価値共有(2月14日)

国際化は、国際的な学術協力に新たな課題をもたらす。デジタル化、国内動向、持続可能性、多様性、欧州、価値共有である。学術の交流、世界主義と学問の自由を擁護するために、DAADは実証済みの新しいプログラムと、より多くの専門家からの助言を活用してそれらの課題に取り組んでいる。2月中旬、ベルリンでの記者会見で、DAAD会長のJoybrato Mukherjee教授、DAAD副会長のMuriel Helbig教授、DAAD事務局長のDorothea Rüland博士が、2020年の彼らの主要なプロジェクトを紹介した。Mukherjee会長とHelbig副会長は1月の初めに現職に就任している。

Mukherjee会長によると、彼の三つの主要なテーマはデジタル化、欧州、価値共有へのコミットメントである。とりわけ気候変動危機の観点から、学術流動性促進やCO2排出量削減のためには、革新的なデジタルアプローチが必須である。彼は、欧州の熱意はこれまで以上に重要であり、なぜなら欧州の一般的な高等教育分野は欧州を安定させるのに役立つうえ、特に若い世代にとっては、アイデンティティを創出するものだからだ、と付け足している。彼によれば、価値共有を維持するには、世界中の研究者を支援し続けることと、とりわけ困窮するパートナー国と対話し続ける必要がある、とのことだ。

Helbig副会長は、変動する学生集団に対応することがいかに重要なのか、ということを強調した。現在、従来よりも多く、多様な教育や人種のバックグラウンドを持つ新入学生がいる。DAADは昨年、"HAW. International" や "Lehramt. International"などのプログラムでこれに対応した。どちらのプログラムも、応用科学大学(HAW)や教職トレーニングのプロジェクトを特にサポートしている。

Dorothea Rüland博士はDAADが2020年のために適切な位置に立っていると説明した。ドイツは留学生の間でますます人気が高まっており、「メイド・イン・ドイツ」の教育、特に多国籍教育プロジェクトの形式のものは、これまで以上に需要がある。ドイツはまた、フランスの大統領による「私たちの惑星を再び偉大に(MOPGA)」などの主要なイニシアティブの実施において、重要な役割を果たしている。

https://www2.daad.de/der-daad/daad-aktuell/de/75824-digitalisierung-europa-und-gemeinsame-werte-/