ドイツ学術情報(過去の分)

2016年

難民に対する大学進学支援を実施(4月29日)

連邦教育研究省(BMBF)とドイツ学術交流会(DAAD)は、迅速な難民の統合のために、大学進学のための支援を実施する。この支援によって、将 来的に無料での大学入学能力試験の受験、大学への入学申請が可能となる。この際、uni-assistという外国人学生のための大学入学サービスセンター が窓口となり、大学進学を希望する難民に対して専門分野決定に関するカウンセリングや診断テストを実施し、uni-assistに対してはDAADを通じ てBMBFが助成を行う。

uni-assistは、外国人留学生からuni-assistの会員である約170の大学への入学申請をとりまとめて受け付け、カウンセリングや 診断テストを実施するほか、外国人留学生の成績証明書がドイツの大学進学基準を満たしているかどうかの調査を代行している。大学側が希望した場合には、ド イツ語能力などのさらなる基準についても検査を行い、必要書類がすべて揃った時点でuni-assistは大学へ外国人留学生の入学申請書を送付してい る。入学の可否については大学において判断される。

BMBF: https://www.bmbf.de/de/fluechtlinge-auf-dem-weg-an-die-hochschule-unterstuetzen-2760.html
 

DFGは次期エクセレンス・イニシアティブに関する連邦・州間の合意書を歓迎(4月22日)

ドイツ研究振興協会(DFG)は、共同学術会議(GWK)において本日合意されたエクセレンス・イニシアティブの継承としての新しい連邦・州間のイニシアティブに歓迎の意を示した。DFGは過去二期にわたる同プログラムで中心的な役割を果たしてきた機関である。

今回合意された内容は、エクセレンス・クラスターに重点が置かれており、これはDFGが担当し成果をあげてきたこれまでのエクセレンス・クラスターの助成 枠を引き続き受け継ぐものであり、こうした重点設定とその内容は、当該助成枠のみならずエクセレンス・イニシアティブ全体を進展させるためにDFGとエク セレンス・イニシアティブに関する専門家委員会が行ってきた提言を基にしている。これにより、エクセレンス・クラスターは将来的にもドイツの研究制度に非 常に活力を与え、そのポテンシャルを高め国際的に可視化されるだろう。

DFG: http://www.dfg.de/service/presse/pressemitteilungen/2016/pressemitteilung_nr_16/index.html
 

共同学術会議(GWK)の次期エクセレンス・イニシアティブに関する決定に対し、ドイツ大学長会議(HRK)が批評(4月22日)

ドイツ大学長会議(HRK)のヒップラー議長は、本日共同学術会議(GWK)において決定された次期エクセレンス・イニシアティブに関する選考方法について、賛同すると同時に批判した。

連邦と州が、審査の観点を学術的な質にのみ置くことで合意した点については賛同する、しかし、いわゆるエリート大学と呼ばれる第二の助成分野に関しては応 募条件がうまく規定されなかった、とヒップラー議長は述べ、その理由を「エリート大学への助成を申請するためには、少なくとも二つ以上のエクセレンス・ク ラスターが採択されていなければならない。しかしこれはドイツの大学の多様性と能力に対応しておらず、大学の規模を過度に重視する羽目になっている。国際 的な大学事情に通じていれば、最も成果を収めている大学が必ずしも大規模な大学であるとは限らないことを知っているだろう」とした。

また、大学がエクセレンス・クラスターの審査方法についてどのようなものになるのか、懸念を抱いている、とし、「審査は、内容と関係のない理由による時間 的制限の中で行われるものであってはならない。適切でない時間的制限の中で申請書の審査をしなければならないようでは、全審査過程の質が低下し、それによ り審査結果もあまり好ましいものではなくなる」と続いて述べた。

HRK: http://www.hrk.de/presse/pressemitteilungen/pressemitteilung/meldung/gwk-entscheidung-zur-nachfolge-der-exzellenzinitiative-hrk-praesident-kritisiert-hohe-huerde-zur-zweiten-foerderlinie-3944/
 

新研究イニシアティブにより建物と都市のエネルギー転換を促進(4月11日)

連邦経済エネルギー省(BMWi)および連邦教育研究省は、本日、エネルギー効率的で気候にやさしい建物と都市のための共同研究イニシアティブを開 始した。この共同研究は「太陽光を活用した建物/高効率エネルギー化都市」と名付けられ、建物や都市のエネルギー転換を促進するため、さらなる高効率エネ ルギー技術および再生可能エネルギーに焦点を当てており、2050年までに建築に関する主要なエネルギー需要を2008年比で80%程度低減させることを 目標としている。

このプロジェクトでは、技術的な側面以外にも、社会政策や社会経済的な側面も考慮されており、イノベーションおよびスマート技術によるエネルギー的に高効 率の住みよい都市をいかにして作るか示すこともねらいとされている。連邦政府は当該イニシアティブに1億5,000万ユーロ、最高で5年間する予定であ る。

BMBF: https://www.bmbf.de/de/neue-forschungsinitiative-staerkt-energiewende-in-gebaeuden-und-staedten-2661.html
 

ドイツの国際研究マーケティングが新たな段階に突入(4月6日)

フンボルト財団、ドイツ学術交流会(DAAD)、ドイツ研究振興協会(DFG)ならびにフラウンホーファー協会は、4月、国際研究マーケティングプ ロジェクトの新たな段階を開始することとなった。このプロジェクトは連邦教育研究省(BMBF)の助成によるものであり、BMBFの「リサーチ・イン・ ジャーマニー―発想の国 ドイツ」の一環である。「リサーチ・イン・ジャーマニー―発想の国 ドイツ」は、ドイツの研究成果とイノベーション可能性を海外 において宣伝し、ドイツの大学や研究所、中小企業(SMEs)における研究マーケティングを支援することを目的としている。これにより、国際研究市場との 提携を拡大しつつ、現場においては研究場所としてのドイツを宣伝することができる。

申請開始時期は2016年春とされ、合計160万ユーロを超える賞金は、ドイツの大学や研究所が国際的な研究マーケティング活動を実施し、ドイツを強力なパートナーかつグローバルサイエンスシステムにおける研究場所としてより明確にすることを支援するものである。

成功したコンセプトや内部ネットワークを活用した知識管理、国際会議・フェアでの活動等の情報や経験を共有するために、ワークショップが今後数年間開催さ れる。加えて、ドイツの大学や研究所、研究ネットワーク、中小企業は、プロジェクトの期間を通して、海外でのプレゼンテーションやプレス活動、国内でのイ ノベーション巡行に参加する機会がより増える。

2016年から2019年のプロジェクト期間に関するすべての活動やデータ、参加の機会ならびに公募開始に関する情報はリサーチ・イン・ジャーマニーのサイト(www.research-in-germany.org)で確認することができる。

AvH: https://www.humboldt-foundation.de/web/press-release-2016-05.html