ドイツ学術情報(過去の分)

2019年ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞(Gottfried Wilhelm Leibniz-Preis)受賞者が決定(12月6日)
ドイツで最も重要な研究賞/2019年3月13日ベルリンで授賞式開催予定

ドイツで最も権威ある研究賞の受賞者が発表された。12月5日にボンで開催されたドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)協議会により、2019年ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞受賞者10名(うち男性6名、女性4名)が決定された。受賞者は、122名の候補者の中から審査委員会により選ばれた。受賞者10名のうち、3名は人文社会系、3名は生命科学系、2名は自然科学系、2名は工学系である。受賞者はそれぞれ賞金250万ユーロを受け取る。この賞金は、受賞者が研究活動のために任意の方法で、最長7年間使用することができる。授賞式は、2019年3月13日にベルリンで開催される。

2019年ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞受賞者氏名(分野、所属機関)は下記の通り。

  • Prof. Dr.-Ing. Sami Haddadin(ロボティクス、ミュンヘン工科大学)
  • Prof. Dr. Rupert Huber(実験物理学、レーゲンスブルク大学)
  • Prof. Dr. Andreas Reckwitz(社会学、ヴィアドリナ欧州大学)
  • Prof. Dr. Hans-Reimer Rodewald(免疫学、ドイツがん研究センター)
  • Dr. Melina Schuh(細胞生物学、マックス・プランク生物物理化学研究所)
  • Prof. Dr. Brenda Schulman(生物化学、マックス・プランク生物化学研究所)
  • Prof. Dr. Ayelet Shachar(法学・政治学、マックス・プランク多宗教・多民族社会調査研究所)
  • Prof. Dr. Michèle Tertilt(経済学、マンハイム大学)
  • Prof. Dr. Wolfgang Wernsdorfer(実験固体物理学、カールスルーエ工科大学)
  • Prof. Dr.-Ing. Matthias Wessling(化学工学、アーヘン工科大学、ライプニッツ研究所)

ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞は、1986年以降DFGにより毎年授与されている。毎年最大10件が選ばれ、それぞれ250万ユーロの賞金が贈られる。2019年の10件を含め、これまでに368件の賞が授与されてきた。全受賞件数のうち、120件は自然科学系、106件は生命科学系、85件は人文社会系、57件は工学系であった。特別なケースでは共同受賞があるため、受賞者数は受賞件数よりも多くなっている。これまでの受賞者数合計は395名(うち男性339名、女性56名)である。

ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞はドイツで最も重要な研究賞である。過去の受賞者7名が、その後ノーベル賞を受賞している(1988年ノーベル化学賞Prof. Dr. Hartmut Michel、1991年ノーベル生理学・医学賞Prof. Dr. Erwin Neher, Prof. Dr. Bert Sakmann、1995年ノーベル生理学・医学賞Prof. Dr. Christiane Nüsslein-Volhard、2005年ノーベル物理学賞Prof. Dr. Theodor W. Hänsch、2007年ノーベル化学賞Prof. Dr. Gerhard Ertl、2014年ノーベル化学賞Prof. Dr. Stefan W. Hell)。

DFG: http://www.dfg.de/en/service/press/press_releases/2018/press_release_no_55/index.html
 

シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトが交渉で大きく前進(12月4日)

シュプリンガー・ネイチャー社(Springer Nature)とドイツ学術機関連盟によるDEALプロジェクトは、学術論文のパブリッシュ&リードに関する画期的なシステムについての交渉を大きく前進させた。これは、DEALプロジェクトのHorst Hippler代表、シュプリンガー・ネイチャー社の欧州の営業を統括するDagmar Laging副代表により共同で発表された。シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトは、遅くとも2019年中頃までの交渉成立を目指す。

両者は、交渉の中間段階として、コスト・ニュートラルによる2019年の現行契約の延長に再度合意した。これにより、複雑な契約モデルについての議論を結論付けるまでに必要な時間が確保される。また、シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトは、学術機関や研究者に対して、シュプリンガー・ネイチャー社のコンテンツへの継続的なアクセスを安定して提供することを目指している。

Hippler代表は次のように述べている。
「私たちは、2019年中頃までに、シュプリンガー・ネイチャー社とDEALプロジェクトとの最終的な交渉が成立することを確信している。2018年から2019年にかけてのコスト・ニュートラルによる延長は、両者の良好な関係を表している。」

Laging副代表は次のように述べている。
「過去数か月間、DEALプロジェクトとの交渉は大きく前進し、今やゴール直前である。両者が合意した現行契約のさらなる延長により、あらゆる関係者が旧体制から新体制へスムーズに移行できるよう、実際の施行に集中するのに必要な時間が与えられている。」

HRK: https://www.hrk.de/press/press-releases/press-release/meldung/springer-nature-and-deal-considerable-progress-in-negotiations-4472/