ドイツ学術情報(過去の分)

連邦政府が未来の交通を促進(6月28日)

連邦教育研究省(BMBF)、連邦経済技術省(BMWi)、連邦交通デジタルインフラ省(BMVI)がアクションプラン「自動運転研究」を発表

連邦政府は、将来の交通に関する取り組みを強化している。新しいアクションプラン「自動運転研究 - ドイツ連邦教育研究省(BMBF)、連邦経済技術省(BMWi)、連邦交通デジタルインフラ省(BMVI)の包括的な研究の枠組み」には、自動運転のための研究資金の将来の方向性に関する優先事項とガイドラインがまとめられている。これは6月27日、連邦教育研究省、連邦経済エネルギー省、および連邦交通デジタルインフラ省によって決定された。

そのアクションプランは、連邦政府ハイテク戦略2025の一部である。自動運転は、道路交通の安全性と効率性の向上から、排出ガスのないインテリジェントで革新的な交通のコンセプトまで、幅広い機会を提供する。連邦政府は、さらなる成長と成功のためにこの機会をつかむことを望んでいる。

特に信頼性が高く安全な電子機器の開発は、自動運転の成功の要である。信頼できる技術的基盤のみが、人々によって受け入れられ使用される新しい交通の提案を可能にする。ドイツを将来的にも競争力のある自動運転産業拠点にするためには、自動車製造における既存の強みとデジタル技術における専門知識の拡大を組み合わせる必要がある。この目的のために、参加省庁は自動運転に関する研究策をさらに強力に即効性をもって束ねたいと考えている。

連邦教育研究省のChristian Luft次官は次のように強調する。

「自動運転は、交通、セキュリティ、データ保護を組み合わせなければならない。しかし信頼できる技術はまだ不足している。ここでアクションプランが必要となる。3省庁間のアクションプランで合意された分業は、中心的な研究テーマを途切れることなく網羅し、それらを効果的に促進する。このことには、特にセンサー、電子機器、人工知能、ビッグデータなど、自動運転のための主要技術に精通することが含まれる。その研究課題において、BMBFは2015年以来、自動運転に約1億5000万ユーロを投資してきた。今、私たちはメイド・イン・ドイツの安全な自動運転技術のために、これまで達成されたことの上に共に築き、まだ利用されていない可能性を引き出してゆく。」

連邦経済エネルギー省のUlrich Nussbaum次官は、次のように述べている。

「自動車産業は私たちの経済の土台のひとつであり、自動運転は電気自動車と並んで業界の将来的トピックである。そのためBMWiは長年にわたりドイツの自動車メーカーを旗艦プロジェクトで支援してきた。現在も約2億ユーロ規模の6つの主要なプロジェクトが進行中である。私たちは自動運転機能を信頼できるものにする方法に集中しているが、将来的には私たちの焦点は、自動運転のための人工知能になるだろう。」

連邦交通デジタルインフラ省のGuido Beermann次官は次のように説明している。

「未来の交通が今始まっている。そして私たちはその只中にいる。運転の自動化・ネットワーク化は、今後数十年間の重要な技術のひとつになるだろう。また、それは地方の公共交通や農村部への接続に加えて、交通安全と気候保護を強化するための新たな機会も提供する。BMVIのリーダーシップの下、連邦政府はすでに自動運転とネットワーク運転の戦略を実行する方向に進んでいる。アクションプランにより、私たちはこの分野の研究開発をさらに進めていく。私たちの共通の目標は明らかだ。私たちは、21世紀の自動車製造のためのこの核となる能力を強化し、一流の技術拠点としてのドイツの地位を守りたい。」

アクションプランは、関係する部門の技能を効率的に組み合わせる。研究資金は必要なトピックの範囲を途切れることなく支援する。その目的は、技術革新の連鎖の重要な分野におけるドイツの技術的主権を強化し、それにより自動運転の第一線のプロバイダーとしてのドイツの自動車産業の役割を確保することである。

自動運転のための研究資金のさらなる拡大のための枠組みとして、アクションプランは今後数カ月の間に具体的に展開されるだろう。参加省庁は対策を開始し、科学および産業界の他の関係者との集中的な意見交換を模索するだろう。このように、将来の計画的な資金調達計画のために幅広い知識基盤が利用可能であり、個別の活動の絶え間ない比較は資金調達手段を調整し、相乗効果を活かすことを可能にするだろう。

BMBF: https://www.bmbf.de/de/bundesregierung-bringt-mobilitaet-der-zukunft-voran-9041.html
 

人文および社会科学のための新しい政策大綱「社会を理解‐未来を形成」(6月17日)

連邦教育研究省Anja Karliczek大臣は6月17日、ベルリンで人文・社会科学のための新しい政策大綱「社会を理解-未来を形成」を発表した。2025年までに7億ユーロの支援が予定されている。

Karliczek大臣は「人文・社会科学は持続可能な社会のために重要である。何が私たちの社会をまとめるのか?未来への楽観あるいは不安は何と結びつくのか?明日の革新的社会はどのようなものか?そのため新政策大綱が今重要な進路を定める。」と強調した。

人文・社会科学の研究は、たとえば過激主義防止、都市および地方の持続可能な開発、あるいは難民の統合といった、社会的問題に対し答えることができる。

科学的認識は、必要とされるところでより良く受け入れられるだろう。そのため、新しい政策大綱は、例えば実務関係者との協力や、学術コミュニケーションの強化を通じて、人文・社会科学における研究の応用指向を強化するだろう。

同時に研究者たちは、実験および自由な活動のための新しい場が与えられる。そこでは自主的にテーマを定め、科学的発展を促進できる。たとえば、大量のデータ研究のための新たな展望を開くために、デジタル手法の開発が支援される。社会的課題に対する研究は国境内にとどまらないため、多くの資金支援形式は、国際的な文脈で人文・社会科学研究の強化を明確に目的としている。

社会的課題提起に対する基礎研究および応用志向の研究は、さまざまな専門分野の科学者たちに彼らの需要に即応したデータを提供する優れた研究インフラストラクチャーを必要とする。そのため新政策大綱の第3の柱として、新しい技術的可能性の展望と共に、研究データのための人文・社会科学的インフラストラクチャーはさらに発展されるだろう。

BMBF: https://www.bmbf.de/de/gesellschaft-verstehen---zukunft-gestalten-8897.html
 

Karliczek大臣:BAföG改革は未来への投資である(6月7日)

連邦参議院が6月7日、BAföG改革を最終的に議決。8月1日に発効する。これに関し連邦教育研究省Anja Karliczek大臣が以下のように説明した。

「デジタル化と徐々に激化する国際競争のこの時勢に、私たちは若い世代の未来のために投資しています。BaföG改革がやっと今日連邦参議院によって可決されたことは、その明白な証です。これはより多くの若い人たちに、良い教育を受けるチャンスをもたらすでしょう。これはまた、国の社会的結束にも役立つでしょう。とりわけ予算が限られている場合、この改革は、私たちが正しい優先順位を設定しているという明確なシグナルです。この法律だけで、私たちはこの立法期間中、BAföGにさらに13億ユーロを費やすことになります。BAföGの需要率は上昇しています。上限額は2020年には最大861ユーロまで増加します。そこに含まれる住宅加算手当は30パーセントまで上がる予定です。所得基準を改善することによって、より多くの家族が新しい規制の恩恵を受けることになり、従って中流階級の負担を軽減するでしょう。これは学生とその家族にとって良いニュースです。ほぼ50年にわたり、BAföGは、誰でも自分自身の強みと興味に対応する教育を修了できることを保証してきました。何百万人もの若者たちがすでにBAföGの恩恵を受けています。BAföG改革により、私たちは連立合意で約束したことを守り続けています。私たちは未来に投資しています。」

BMBF: https://www.bmbf.de/de/karliczek-bafoeg-reform-ist-investition-in-die-zukunft-8839.html