ドイツ学術情報(過去の分)

カリチェック大臣:ドイツの新型コロナワクチン研究に7億5,000万ユーロ以上の新特別プログラム(6月18日)

ドイツ企業は、現在助成金に応募可能

ワクチン開発と製造は、コロナパンデミックを克服するための重要な鍵である。そのため、世界中の研究者たちは全力で働いている。連邦政府の国際的支援措置と並び、国内の対策をもう一度強化するために、連邦教育研究省(BMBF)は、至急必要としているSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチン研究開発促進に関する特別プログラムを7億5,000万ユーロで募集開始した。プログラムの要綱が公表され、関心のある企業は支援を申請することができる。これに加え、連邦教育研究省アンヤ・カリチェック大臣が説明する。

「ほぼ毎日世界中からワクチン開発の状況についてのニュースが届くがそれは不思議でない。すなわちこのパンデミックは終わっていない。他の多くの国では感染者数が増加している。ドイツでは現在パンデミックは制御下である。

しかし、それを維持するよう引き続き油断なく警戒しなければならない!私たちはワクチンの開発を慎重に見守らなければいけない。開発はなお正しい方向に進んでいる。私はその状況を望む。ドイツそして世界中も、近い未来に再び平常に戻るために、ワクチンが完全に決定的な礎であることは明らかである。そのためドイツにおいても、ワクチンを開発しその製造の兆しが見える企業のために、支援を再強化する。先週金曜日にそれにふさわしい特別プログラムの支援要綱を発表した。このプログラムでドイツのワクチン開発と製造のための条件をもう一度改善する。私たちは、ドイツに拠点を置く企業が人々により早く有効なワクチンを提供できるよう、最善の支援を行いたい。

具体的には2つの点である。1つ目は、個々のプロジェクトにおいて臨床試験の後期フェーズ、つまり承認直前であり任意ベースでの被験者数を拡大できるようにしたい。例えば、そのフェーズにおいて既に医療従事者とシステムに重要な分野の他の職業グループをこの研究に含め、早期に、実現可能なワクチンによる予防への可能性を与えるというのが考えられる。もしこの例が実現するなら、これは確実に既に良い開発となるだろう。

2つ目の目標は、生産能力の増強である。ここでの大きな課題は、この国そして世界中でも十分なワクチン量を生産する必要があるという点である。ワクチン開発におけるこの部分は過小評価してはいけない。生産量は限られていて、それまでのワクチン需要に合わせられている。そのうえ、多くのワクチン製造は他国、特に中国とインドに外注されている。私たちは今、そして将来もドイツにおけるワクチン製造のための空きの生産設備を確保し、世界における需要も見通して追加の生産量を生み出す配慮をしなければならない。

私たちの支援プログラムは、有望な兆候を追求する限り、ワクチン開発、製造を行っていてドイツに拠点を置く全ての企業が原則的に対象である。このプログラムは最初から1つの企業に集中しない。私たちは幅広く兆候を見守る。有望な企業は可能性を最大限に引き出してもらいたい。ワクチンが迅速に、そして十分な量が使用可能であることを保証したいなら、私たちは全体として多面的に行わなければならない。」

背景

SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)に対するワクチン開発促進に関する特別プログラムの最重要目標は、ドイツにおける開発および生産能力の拡大と、すでに実験フェーズにある特別グループの保護に期待される効果を可能にするための、後期臨床試験フェーズでの被験者数の増加である。

・助成の対象と補助金受給者
助成対象は、フェーズ IからIIIの臨床ワクチン開発、製造および充填能力の拡大、そしてドイツにおける被験者数の増加である。申請者は、計画におけるすべての観点を考慮しなければならない。申請の資格があるのは、支援の時点でドイツに企業所在地がある企業である。申請された研究開発活動が、通常ドイツで実施されることが期待されている。

・プログラムの財政上の範囲と手順
特別プログラムは7億5,000万ユーロにのぼり、最終有効期限は2021年12月31日までである。支援は欧州国家援助法の対象である。支援申請は2020年7月15日までに提出でき、支援決定は専門家協議会を含めたBMBFが行う。専門家協議会には、製薬業界や臨床研究、規制庁から地位の高い代表者が任命される。

・連邦政府の他のイニシアティブとの境界
ドイツに焦点を合わせた研究と開発の促進に関する特別プログラムは、全体でSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)に対して至急必要とするワクチンが迅速に、そしてドイツやヨーロッパ、世界中で使用可能な十分な量を目指す連邦政府の他の措置を補足する。迅速にワクチンを認可するために、ワクチン開発の少なからず内在するリスクに基づいてより多くの最初の兆候を追求しなければならない。

BMBFは、既に2億3,000万ユーロで国際ワクチンイニシアティブ「感染症流行対策イノベーション連合(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations:CEPI)」の一環とするCOVID-19(新型ウイルス感染症)のワクチン開発を支援している。CEPIと特別プログラムは、素早くワクチンが自由に使用でき、公正に配布するため補足的に影響を与える。

https://www.bmbf.de/de/karliczek-neues-sonderprogramm-ueber-750-millionen-euro-fuer-die-corona-11858.html