ドイツ学術情報(過去の分)
国際的な大学協力においてもデジタルの機会を利用(8月25日)
連邦教育研究省(Bundesministeriums für Bildung und Forschung:BMBF)がドイツ学術交流会(Deutscher Akademischer Austauschdienst:DAAD)を通じて約550万ユーロで国際的な大学共同のデジタル化を支援
新型コロナパンデミックの間、多くの大学はデジタル講義とデジタル学習の提供を拡大した。これらのデジタル化を国際的な大学協力でも推進させるため、DAADはプログラム「国際バーチャルアカデミックコラボレーション(International Virtual Academic Collaboration:IVAC)」に約50のプロジェクトを選出した。BMBFはIVACを2021年末までに約550万ユーロを支援する。
これに関し、Anja Karliczek連邦教育大臣が説明する。「新型コロナ危機で、大学と学術組織は、短期間でデジタル教育、学び、仕事をダイナミックにさらに発展させる必要に直面している。国際交流はパンデミックの期間中も重要であるので、私たちは国際交流を引き続き促進し、新たな方策でさらに支援する。デジタルの可能性は、国際的な大学協力をも豊かにする。そのため私たちはDAADを通して、狙いを定め、デジタルツールの広がる可能性を利用する革新的教育と協力的学習のための超国家的な協力を支援する。このプログラムは、グローバルに焦点を当て支援するが、学生にとってパンデミックによる制限が特別な課題となっている、米国・カナダとドイツの教員の大西洋を越えた協力も明確にサポートしている。私にとって明らかなのは、できるだけ早く、人々が従来の交流に戻るようになることであると同時に、私たちは現在の課題を受け入れ、確実に永続的な新たな方策も開発することができるということである。」
Joybrato Mukherjee DAAD会長は強調する。「全世界に及ぶパンデミックの時期におけるバーチャル交流とデジタル協力は、世界への中心的な架け橋である。DAADは、IVACで個々の教師も大学も国際的大学協力と世界的流動性をバーチャルで築いて深める。公募への大きな関心が「私たちはここで核心をついている」ということを示す。」
背景
IVACは多彩な支援の可能性を提供する。多くの場合学際的に協力し、専門的であると同時に文化的境界を越える学生のためのバーチャルコラボレーションのためのツールに焦点を当てている。大学で働く人々と学生のデジタル知識の強化と学業、教育、留学等におけるすべての段階でのデジタル化は同様にサポートされる。41大学の計48プロジェクトが2021年末まで支援される。
このような困難な条件下であっても、この危機はこれまでの地理的、政治的、社会的境界を越えて新しく形成する国際的な大学協力という大きなチャンスをも提供する。このプロジェクトは、次の2つの例が示すように幅広い内容の分野をカバーする。
ルール・ヴェスト大学は、ハルツ大学とアメリカのパートナー大学と一緒にプロジェクト「バーチャルエクスチェンジプラス(Virtual Exchange+)」で幅広い学生のためのデジタル国際体験を可能にする。それに加えて大学は、冬学期からアメリカのパートナー大学と共にバーチャルコラボレーションとしてコミュニケーションからデータ分析までの6つの異なったコースを提供する。これらは特に経済的、時間的、あるいは住居地による制限でこれまで留学などが出来なかった学生にもたらされる。
プロジェクト「CoCo-会話とコミュニケーションの協同コース」は、ブランデンブルク工科大学コットブス・ゼンフテンベルクとオーストラリア・メルボルンのディーキン大学のいわゆるブレンデッド・モビリティ・シナリオ(Blended-Mobility-Szenarien:教育において留学などの物理的な空間移動とWebでの授業のようなバーチャルな空間移動を織り交ぜる概念)の発展継続を支援する。共通の修士プログラムの一環として、例えばバーチャルルームにおける国際共同授業のような仮想的提供を通じてリアルな交流が補われる。