ドイツ学術情報(過去の分)

カリチェック大臣:量子技術で技術的な主権を高める(1月6日)

連邦研究省が、未来パッケージから最初のプロジェクトを開始へ

コロナ危機による経済的影響の克服に関する景気プログラムの一環として、連邦政府はイノベーション国ドイツの量子技術への投資も含む未来パッケージを策定した。これにより連邦教育研究省は、現在量子通信と量子コンピューティングハードウエアに関する最初の準備措置を開始している。これに関し、連邦研究省大臣アンヤ・カリチェックが以下のように説明する。

「量子技術は、経済と社会にとって卓越した可能性がある。イノベーション国ドイツとして、私たちは将来もトップリーグで先端イノベーションに関与するつもりである。なぜなら、国際競争は極めて要求が高いからである。量子技術によって、私たちはライバル国からの独立を強め、技術的主権に重要な貢献をする。そのため、連邦政府は今後5年間量子技術開発に関する景気対策パッケージと未来パッケージから、数十億ユーロもの多大な資金を調達する。

景気対策および未来パッケージからの最初の1億2,000万ユーロで、BMBFは最初のプロジェクトを開始する。これにより、私たちは 量子通信と量子コンピューティングのための根本的なキーテクノロジーに関するプロジェクトに集中するつもりである。それにより、経済と学術コミュニティーの準備と活性化、ネットワークのために、至急必要な構造を作り始める。これも連邦政府の今後の活動にとって重要な要素である。

量子コンピューティング・ロードマップで、連邦政府は科学や産業と共に、未来パッケージを迅速に実行するために推奨される行動がどういったものかを開発する。そうして、これらの強い科学が経済や社会にも届くよう保障したい。推奨される行動は、1月の連邦政府のイノベーション対話の一環で発表される。ロードマップは私にとって重要な関心事である。なぜなら、経済、科学、政治の団結が量子コンピューティングのための本物の決起の合図だからである。私たちは次の四半期でさらなる措置を省庁横断的に調整する。未来パッケージからの最初のBMBFの措置で、私たちは既に今日ロードマッププロセスの結果を迅速に実行できるようになる。」

背景

将来の量子コンピューターにおける量子プロセッサーと量子情報科学のための基盤技術に関する助成発表により、BMBFは「ドイツ製」の量子コンピューティングに非常に重要な刺激を与える。

これらの措置は、量子技術における連邦政府の近年継続的に増加している助成活動に加わる。連邦政府はすでに2018年、ドイツの量子技術の開発を促進するために「量子技術-基礎から市場へ」プログラムを開始した。BMBFはこのプログラムの一環として、すでに基礎技術、センサーシステム、コンピューティング、安全な量子通信に関する研究イニシアティブを支援している。

BMBFのイニシアティブQuNETは、量子通信を通じて安全なコミュニケーションを研究し、様々な場面において試されなければいけないITセキュリティ研究の指標プロジェクトである。広く安全なデータ通信を保証するために、安全なネットワークアーキテクチャのすべての観点が顧慮される。そのために、QuNETで3つの大きな研究協会の科学者らが、通信およびITセキュリティ分野で密接に協力して働いている。QuNETで開発された技術は将来、公共施設や不可欠なインフラストラクチャーのためだけでなく、将来を見通し、産業や国民のためにも通信をより安全にしなければならない。その上でさらに今後、科学や産業からのパートナーが実行に適した解決策に積極的に貢献し、ドイツの量子通信産業の長期的成功のための基盤を置くであろう。

2020年の初め、連邦研究省大臣はさらにハードウエア、ソフトウエアの開発と使用により強く焦点を合わせるための量子コンピューティングの戦略的イニシアティブを始めた。これらにより、BMBFは技術立国ヨーロッパとその技術的主権の繁栄のために連邦政府のロードマッププロセスからの刺激を迅速に狙いを絞って実行することが可能になる。

https://www.bmbf.de/de/karliczek-mit-quantentechnologien-zu-mehr-technologischer-souveraenitaet-13489.html