ドイツ学術情報(過去の分)

カリチェック大臣:私たちは経済と社会の中枢神経として新しい通信技術を支援(6月25日)

連邦教育研究省(BMBF)が通信システムに関する初めての独自の研究プログラムを発表

 本日金曜日(6月25日)、連邦教育研究省(BMBF)は新しい研究プログラム「ソブリン・デジタル・ネットワークト(Souverän. Digital. Vernetzt.)」を開始した。今後5年間で、この初めての通信システムの独立研究プログラムに基づいて、BMBFは通信技術のための研究、開発とイノベーションの多様な種類の資金助成を開始する。アンヤ・カリチェック連邦教育研究大臣は次のように説明する。

 「いかにビジネスと社会がデジタルトランスフォーメーションを使いこなすかが、ドイツとヨーロッパの繁栄と競争力を決める。革新的で、高いパフォーマンスの通信技術は、必要不可欠な基盤である。ドイツとヨーロッパは、このデジタル化のキーテクノロジーを使いこなし続けなければならない。それゆえ効果的に研究と研修に投資し続けなければならない。通信システムの新しい研究プログラムで、私たちはこれを力強く促進させている。BMBFは今後数年で、最大7億ユーロをこの目的のために投資する。これもドイツ政府の経済刺激策と将来のパッケージからの資金提供のおかげで可能になるだろう。

 私の狙いは、ドイツとヨーロッパの企業が、将来のテクノロジーの発展と生産を推進する点で重要な役割を果たすことを確実にすることである。この研究プログラムにより、BMBFは必要なフレームワークを提供している。私たちは将来の通信システムと革新的なアプリケーションのため、全体的で安全かつ持続可能な解決策の開発を約束する。私たちは、通信ネットワークにおける人工知能の使い道や、ネットワークレジリエンス(内部および外部からの干渉への通信ネットワークの回復力)の重要な問題などの研究トピックを検討している。このようにすることにより、私たちは新しい分野を開拓する必要もある。量子技術のようなアプローチが、将来の通信システムを作ることを、より力強く、より弾力的かつ安定的に助ける。ドイツの6Gイノベーションエコシステムが作られ、6Gテクノロジーが素早く研究から実用に移ることも重要である。この目的のための重要な方法として、私は最近ドイツの6Gに関する研究イニシアティブを取り決めた。この国の企業は、その革新力を高いパフォーマンスのネットワークソリューションに大きく依存しており、恩恵をもたらすこととなるだろう。」

背景:

 研究プログラム「ソブリン・デジタル・ネットワークト(Souverän. Digital. Vernetzt.)」により、BMBFは、今後5年間以上かけて、革新的通信技術に対して、ドイツ政府の経済刺激策と将来のパッケージを含めて、最大7億ユーロの資金を投資する。プログラムはドイツ政府のハイテク戦略2025に組み込まれており、BMBFの通信システムに関連した10年以上のイノベーション研究資金提供の経験を基にしている。「ICT2020-イノベーションのための研究」資金プログラムなどがその例である。通信システムのキーテクノロジーの重要性は成長しており、現在提供されている最初の独立研究プログラムにも反映している。ソブリン・デジタル・ネットワークトはこのことを正当に評価している。

プログラムは3つの分野に注目している。

・1つ目は、近い将来のネットワーキングテクノロジーである。ここでの注目は、情報伝達の新しいコンセプトのみならず、6Gや通信ネットワークにおける人工知能、ナノロボットのような小さな機械とのコミュニケーションのような探索的なテクノロジー分野を準備することである。

・2つ目は、将来の全体的で安全かつ持続可能な方法のネットワークシステムの設計についてである。ここでの注目は、通信技術のレジリエンス、資源効率と社会的インパクトである。

・3つ目は、ドイツのキーとなる産業に高い関連がある具体的な応用に注目している。研究の目的は、人々の日常生活に便益をもたらす通信ソリューション(産業、スマートホーム、スマート農業や、スマートシティなど)を見つけることである。

https://www.bmbf.de/bmbf/shareddocs/pressemitteilungen/de/karliczek-wir-foerdern-neue-ko-on-wirtschaft-und-gesellschaft.html

ヨーロッパを経験そして形成:エラスムス・プラスが交流と出会いのさらなる可能性を提供(6月22日)

 よりデジタルに、より包括的にそしてより持続可能に:欧州連合プログラムであるエラスムス・プラスと欧州連帯隊(Europäisches Solidaritätskorps)が現在、いまだかつてない協力と海外流動性の可能性を提供

 アンヤ・カリチェック連邦教育研究大臣、クリスティーネ・ランブレヒト連邦青少年大臣、シュテファン・マイヤー連邦内務省政務次官、ドイツ連邦共和国各州の教育・文化担当大臣常任会議議長ブリタ・エルスト、EU委員会と欧州議会の代議士は、新しいEUプログラムのエラスムス・プラス(Erasmus+)と欧州連帯隊を、6月22日のデジタル発表会でスタートさせる。

 将来、全年齢のさらに多くの欧州の人々は、交流や移動の機会を利用できるようになるだろう。新世代のプログラムとして、エラスムス・プラスは、すべての教育分野のための欧州の中心的な教育プログラムとして、さらに注目を集めることになるだろう。

 イベントには、教育、青少年スポーツ政策、専門実務家、会社および労働組合の専門家約1,000人が参加する見込みである。新しいプログラムは、7年間(2021年から2027年)行われる。約260億ユーロの予算は、これまでのプログラムの約2倍であり、児童や学生、研修生、学習者、教員、ボランティアの移動で利用可能である。

 新しいEUプログラムの開始に際して、アンヤ・カリチェック連邦教育研究大臣は説明する。

「ヨーロッパは国境を越え、人の出会いや交流で栄える。人々が互いに知り合うとき彼らは一緒にうまく働き、デジタル化や気候変動など、多くの一般的な課題に対処することができる。Erasumus+プログラムは、互いに知り合うことの中心基盤となる。

 国際的な経験も、個人的なキャリアの機会を改善させる。やはり、増加している国際的な労働世界では、一つの重要な資格は、複数言語を話すことはもちろんのこと、素早くほかの国や社会に入っていく道を見つけることである。

この新しいプログラムの期間、今後7年間にわたって、ほぼ2倍の260億ユーロという予算をもって、1,000万人がヨーロッパのあらゆる場所で出会うことを可能にできることを、私は喜ばしく思う。

 Erasumus+とその他の取り組みで補助され、私たちはヨーロッパの教育領域を構築している。そして共に強いヨーロッパを作っている。ヨーロッパは世界で、その独自の存在を確立するだろう。」

 クリスティーネ・ランブレヒト家族・高齢者・女性・青少年担当大臣は、明言する。

 「コロナウイルスのパンデミックで1年以上たった後、直接もう一度会えること、国際的な経験を積むことは、若い人々にとって特に重要である。ヨーロッパの人々と国際的な若い人との交流とボランティアサービスは、彼ら自身を異なる言語と文化の中に入れ、外国での日常生活を経験することで成長する。デジタルイベントやオンラインプロジェクトでは、それを置き換えることはできない。これが理由で、課外活動や、非公式な学習のためのEUの資金拠出は大いに増加している。これは、さらに若い人々に国境を越えて関わりあうチャンスを与えるだろう。参加者の個人的経験は生涯において、彼らを裕福にするだろう。私は、EUプログラムの新しい時代が、統合され平和なヨーロッパに重要な貢献をすることを確信している。」

 シュテファン・マイヤー内務省政務次官は説明する。

 この新しい資金助成期間の注目は、国境を越えてスポーツ職員の移動を明確に促進している。一つ明確なことは、スポーツを通じた場ほど人々が簡単かつ単純に会える場所はないということである。スポーツの領域ほど、国際的理解と新しい友人を作ることが簡単な場所はない。

 ドイツ連邦共和国各州の教育・文化担当大臣常任会議議長ブリタ・エルストは、学生と教員のためのプログラムの重要性を強調した。

 「『経験し、ヨーロッパを形成する』のモットーに忠実に、ヨーロッパのためにエラスムスを用いて教室の中まで入っていく新鮮な契機を持ってくることは重要である。私たちは、次のことを認識すべきであるため、教室は教えられ、学習するだけの場所ではない。学校はいつも、ヨーロッパにおいて私たちを統合する価値を交換する場所である」

背景:

エラスムス・プラス

 エラスムス・プラスは、教育、トレーニング、青少年とスポーツのためのEUプログラムである。それは、ヨーロッパにまたがり、教育のすべての領域で交流・協力することを促進している。2021から2027年までのプログラム期間において、資金がより増加し合計約260億ユーロの資金助成が利用可能である。新しい要素で最低でなく、エラスムス+は、共通の欧州教育領域を形成することに積極的な貢献をすることを意図されている。

 エラスムス・プラスは、学童、学生、研修生、教育関係者、ボランティア、若い労働者、スポーツ団体を対象にしている。特に対象になるのは、個人的・社会的状況や構造的要因から、これまでプログラムが届かなかったすべての人たちである。すべての人と団体のアクセスは簡単に作られる。たとえば、社会経済的に恵まれない人々へのリーチする欧州社会ファンドを経て、追加的な資金助成を通して行われる。

新しいプログラム構成要素

 新しい構成要素は、人生の長い学習を促進すること、持続可能な成長を可能にすること、社会結合とヨーロッパのアイデンティティを強化すること、イノベーションを起こすことを狙っている。プログラムの中心は、包括と多様性、デジタル化、市民教育と持続可能性によく関係するテーマである。

ドイツにおけるエラスムス・プラス

 ドイツにおいて、ボンを本拠地とする4つの国内機関がエラスムス・プラスの遂行をする。青少年の分野を担当する国立機関「JUGEND für Europa」(www.jugendfuereuropa.de)、学校を担当する国立機関ドイツ連邦州の教育文化大臣の会議事務局のPädagogischen Austauschdienst (PAD) (www.kmk-pad.org)、高等教育分野で、EUの大学間協力を担当するドイツ学術交流会(DAAD)(https://eu.daad.de)、職業教育と成人教育を担当する連邦機関「Bildung für Europa」(www.na-bibb.de)がある。

欧州連帯隊

 欧州連帯隊(Europäische Solidaritätskorps ;ESK)はEUのもう一つのプログラムである。それは、若い人々を対象とし、社会的で多様なヨーロッパのためのボランティアを可能にする。

 具体的には、若いボランティア参加者はボランティアサービスに関わったり、独自の連帯プロジェクトを設立することができる。彼らの連帯への取り組みは、ヨーロッパのあらゆる場所で社会的団結を強化することを意図している。

 2021年から2027年のEUの合計予算は、少なくとも10億ユーロはある。資金は、若いヨーロッパ人による国際的な活動と、地域の活動の両方に提供されるだけでなく、若い人々を受け入れたり、ヨーロッパ連帯団に彼らを送る機関にも提供される。ドイツではそのプログラムは国立機関の「JUGEND für Europa」によって遂行される。

https://www.bmbf.de/bmbf/shareddocs/pressemitteilungen/de/europa-erleben-und-gestalten-e-n-fuer-austausch-und-begegnung.html
 

大学統合賞2021を授与(6月9日)

連邦教育研究省(BMBF)とドイツ学術交流会(DAAD)が、大学での難民の統合における卓越した社会的責務を果たす3つのプロジェクトを表彰

 ドイツの大学は近年、ドイツの教育システムへの難民の資格認定と統合において非常に積極的である。連邦教育研究省(BMBF)とドイツ学術交流会(DAAD)は、ドイツの大学で3つの特に効果的で革新的なプロジェクトを「難民の統合の卓越した責務に対する大学統合賞」で初めて表彰する。受賞プロジェクトは、追加のアイデアの実現に向けてそれぞれ1万ユーロを受け取る。

これに関して、アンヤ・カリチェック連邦教育研究大臣が説明する。

「ドイツにおける統合と向上は、教育を通じて成功する!3万人以上の特にやる気と才能のある難民が、過去5年間でドイツの大学の専門課程に入学した。これは、彼らの知識と経験がドイツの大学にもたらされ学術的に反映できる、素晴らしい成果である。そしてこれは、近いうちにドイツの大学卒業資格を持つ多くの国際的な専門労働者を獲得できる我が国の雇用者にとって、良い見通しである。

数千人の難民が修士の学位を手にしている。これについて、2015年以降ドイツの大学は非常に効果的に寄与しており、純粋な教育の範疇を超えている。例えば、教授陣と学生は、よりどころを奪われた人々に第二の故郷を与え、新しい学生たちを自分たちのコミュニティの中心へ受け入れ、一緒にタンデム学習を構築し、社会的な出会いの場や法律相談を実現し、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)や他の病気に関する健康情報や既往歴シートを大学キャンパス以外の難民も恩恵を受けられる母国語で提供した。こうして統合は、完全に実用的で模範的に実践された。彼らは共に素晴らしい歓迎文化を作り上げた。

今こそこれらの素晴らしい取り組みをより多くに人に知ってもらう時だ。そのため、私たちが初めて大学統合賞を授与できるのを嬉しく思う。私たちは、全ての大学や大学生、イニシアティブ、積極的に参加した個人に対し、近年成し遂げたことへの感謝を申し上げる。」

ジョイブラート・ムカジーDAAD会長は以下のように述べる。

「ドイツの大学と全学生は、難民のための数多くのプロジェクトにおいて、ここ近年、橋渡し役であることを示した。彼らは、高等教育や労働市場、社会の橋渡し役であり、いうなれば成功させる技術者である。ドイツのような原料に乏しい国は、故郷を失った研究者や大学生に新しい故郷を与え、彼らが勉学を再開・継続することで、彼らが私たちの自由な民主主義の中で、自分自身とその能力を伸ばせるようにするほうがよい。今回表彰されたプロジェクトは、こうしたすべてを完全に卓越した方法で行っている。」

受賞者:

「大学での勉学への橋渡し」カテゴリーの受賞者

HAWK応用科学芸術大学ヒルデスハイムキャンパス、ホルツミンデンキャンパス、ゲッティンゲンキャンパスが、大学への入学を希望する難民と難民の大学生のための成果を収めた全体構想に対して受賞した。HAWKの活動は2016年以来、BMBFの難民プログラム「Integra」と「Welcome」の一環としてドイツ学術交流会(DAAD)によって支援されている。毎年 HAWKは「HAWK open」と「HAWK start plus」のプロジェクトで、難民としての背景を持つ約300人の大学入学希望者にサポートを提供する。それらは、入学前と在学中の広範囲にわたるアドバイスと付き添いサポートを提供し、社会的統合や専攻に関連する労働市場へのオリエンテーションに関する学生活動を支援している。

「社会への橋渡し」カテゴリーの受賞者

クリスティアン・アルブレヒト大学キール(キール大学)がプロジェクト「kulturgrenzenlos e. V.」に対し賞を受けた。このプロジェクトは、BMBFの難民プログラム「Welcome」の一環としてDAADによって支援されている。この非営利団体は、2016年に学生の出会いプロジェクトから生まれ、今では35人の学生ボランティアが引き受ける組織に成長している。団体は、共同でのレジャー活動のための連携プロジェクト、社会的関与の支援のためのアイデア活動、国際的なランゲージカフェや女子学生専用カフェなど、催しや参加活動を通してキャンパスでの難民の統合を支援するメディアプロジェクト「Blickwinkel」と「kulturgrenzenlos on Campus(キャンパスでの無限の文化)」キャンペーンを提供している。

「労働市場への橋渡し」カテゴリーの受賞者:

ハノーファー専門大学が、プロジェクト「Refugeeks-コーディングアカデミー・ハノーファー」で受賞した。このプロジェクトは2020年から、新しいBMBFの難民プログラム「Profi」の一環としてDAADによって支援されている。Refugeeksは、すでにプログラミング能力を持つ難民を対象とした1年間の学術的なIT継続教育で構成されている。参加者は、大学の証明書「IT-Experte Data Science / Web Technology」とハノーファー商工会議所の同等の証明書を取得することができる。それに加えて、さらに専門知識や言語知識に関する申し出、就職面接と労働市場への参入に関するヒントと導入説明を受ける。

背景:

 表彰されたプロジェクトは、難民のための大学プログラムにおいてDAADを介し、BMBFによって支援されている。これらは、2015年の終わりにドイツの大学での難民の統合に関する難民運動の反応として設立された。2016年から2022年までの期間、約1億6,000万ユーロが用意されている。これらの資金から、入学、準備、大学での勉学、キャリアの4つのカテゴリーにおいて、包括的かつ長期的に構想された対策パッケージが開発された。過去5年間で、資格を持つ若者にどれだけ大きな可能性があり、そしてそれに伴い、どれだけ大学教育の需要が大きいかが素早く示された。連邦政府によって準備された資金だけで、これまでに約4万人の難民が言語的、そして専門的に大学での勉学に対して準備し、大学は毎年4万件以上の大学での勉学に興味を持つ難民とのアドバイス面談を実施し、そして学生の歓迎イニシアティブは、大学キャンパスに毎年2万人以上の難民を溶け込めるよう支援をしている。新型コロナウイルス感染症(Covid-19)パンデミックの発生以来、多くの授業形式がハイブリッド型やオンライン形式に切り替えられた。DAADは、この間に3万人以上の専門課程に学籍登録された難民と数千人の修士課程修了者がいると推定している。

https://www.bmbf.de/bmbf/shareddocs/pressemitteilungen/de/hochschul-integrationspreis-2021-verliehen.html

大学のデジタル化。連邦政府と州への詳細なHRKアピール(6月9日)

 COVID-19のパンデミックにより学んだ教訓が火をつけるきっかけとなり、HRK理事会は本日(6月9日)、長年にわたる大学の要望を具体化し、詳細な「デジタル授業基盤のさらなる発展のための連邦政府と州に対しての訴え」を採択した。

 「学生、教員、管理職員は、何年もデジタル授業に全力を傾けてきましたが、COVID-19のパンデミックの間、厳しい困難に直面している。対面の高等教育に戻ることは、デジタル化によって提供された機会が、永続的な基準として利用され、より良い近代的な教育が保証されるというHRKの長年の訴えを強化する」とHRK理事長のピーター・アンドレ・アルト教授は言う。彼は、これは連邦政府と州政府のデジタル授業基盤についての合意を必要とすると主張している。

 HRK理事会によると、パンデミックはデジタル授業基盤について、以前から存在していた欠点を明らかにした。例えば、デジタル学習・教育にはと適切なツールや最新のハードウェアとソフトウェアを備えたスタジオ、現実の実験室、工房スペースなどである。ビデオ会議のための統合されたコミュニケーションチャネルは、授業支援サービスのため、設定、改善そして法的に安全である必要があるだろう。加えて、理事会は、授業を支援する基盤はより効率的である必要があると主張している。これは、包括的なローカル無線LANのカバー、帯域幅の拡大、いつでも利用可能なサーバーとストレージの基盤を含んでいる。

「もっとも重要であるのは、スタッフの成長である。それは、成功的な発展で必要とされるITスペシャリストのみならず、メディア教授法とコースデザインの考え方の専門家も私たちは求めている。」HRKデジタル化担当副理事長のモニカ・グロス教授は、この提言を準備した委員会メンバーとして言う。

 連邦政府と州政府により必要とされている、年あたり2億7,000万ユーロの経済的政策は、学生1人、年額92ユーロのデジタル化手当から生じる。この金額は2019年に研究とイノベーションについての専門家会議(EFI)で対応する報告書に関連して要求していたものである。HRKは、約5,000万ユーロを個々の大学に基本手当として配布し、学生の数に応じて2億2,000万ユーロ弱の元金を配布することを提案している。具体的には研究と教育に40%、サービスに30%、インフラストラクチャ―に30%の割合である。

 「連邦政府と州政府によるこの合意の成果は、彼らが対面の高等教育に戻るや否や、大学がデジタル要素を最も高いレベルで彼らの授業に統合することを可能にする。」とHRK理事長のアルト教授は言う。「これは、大学教育の全体的な質をさらに改善し、私たちの大学を国際的に競争力のあるものにすることを許すだろう。」

https://www.hrk.de/press/press-releases/press-release/meldung/digitalisation-at-universities-detailed-hrk-appeal-to-the-federal-government-and-states-4833/

 

カリチェック大臣:優れたITセキュリティ研究で安全なデジタル世界のための基礎を築く(6月2日)

連邦政府が、ITセキュリティ研究に関する3億5,000万ユーロのフレームワークプログラムをスタート

 本日、ドイツ政府は、ドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung :BMBF)によって導入されたITセキュリティに関する研究フレームワークプログラム「デジタル・セキュア・ソブリン(Digital. Sicher. Souverän.)」をスタートした。

 閣議決定について、アンヤ・カリチェック連邦教育研究大臣は次のように述べている。

「生活のあらゆる分野でますますデジタル化が進む世界において、私たちは、デジタルセキュリティーを絶対的に信頼しなければならない。ITセキュリティーなしでは、今日の日常生活に安全はありえない。私たちは、素晴らしいITセキュリティ研究により、デジタル化の数多くの機会を自身で利用でき、また安全なデジタル世界の基礎を築いている。

 私たちは、新しいテクノロジーの出現だけでなく、データの爆発増加にともない増え続ける複雑な困難に直面している。例として、州機関や大学、企業へのサイバー攻撃、ソーシャルネットワークの偽情報や、将来、膨大な計算能力で一般的な暗号化方式を打ち破る量子コンピューターなどである。またネットワークに接続されるデバイスの数も指数関数的に増加している。同時に、人工知能(AI)は、多種多様なアプリケーションとして、私たちの日々の生活をますます形成している。現実とデジタルの世界は、今やすでに5Gやさらに6Gで、ますます繋がっている。繋がった世界は、私たちそれぞれにおいてだけでなく、社会全体においても大きなインパクトをもたらす。水道が通り、地下鉄が走り、銀行振込が正しく着金することを、私たちはITセキュリティーなしで確実に行うことはできない。また、車の製造や、病気の人々のケアも確実に行うことができない。ITセキュリティーなしで、私たちは民主主義を機能させることはできない。

 私たちはそれゆえ、デジタル世界の安全を作ることは、ドイツとEUの未来にとって重要なタスクであることを示さなければならない。デジタル世界におけるITセキュリティーとプライバシーに関する研究は非常に重要である。

 新しい研究プログラム「デジタル・セキュア・ソブリン」では、連邦教育研究省が2026年まで3億5,000万ユーロを用意している。このように、私たちはドイツとEUにおけるITセキュリティーとプライバシー、経済反映と技術的な主権のための素晴らしい研究の道を作っている。そのため、私たちはよりよいデジタル生活のための基礎を作っており、今日そして将来、私たちはデジタルに、安全に主権的に生活することができる。」

背景:

 フレームワークプログラム「デジタル・セキュア・ソブリン」とともに、ドイツ政府はITセキュリティー研究の領域で、技術的、主権的なさらなる拡大を狙っている。またセキュアなデジタル世界のための将来の研究資金のためのフレームワークを設定している。BMBFは、2026年までに、遂行のため少なくとも3億5,000万ユーロを提供する。

 そのフレームワークは、今後数年7つのアーチ状戦略のゴールとして、ITセキュリティー研究を調整している。

・デジタルトランスフォーメーションを安全に持続できるよう形成する

・データとノウハウを守り、そして使う

・安定性、デジタル民主主義と社会を確実なものにする

・自身で決めるプライバシーと革新的データ保護を可能にする

・ドイツをイノベーションと時代遅れにならないトップの国へ持っていく

・先進的なマインドに資格をあたえ、魅了する

・ドイツとEUの技術的な主権を安全なものにする

 そのプログラムは前身のITセキュリティー研究プログラム「2015年から2020年のデジタル世界の自己決定と安全」の上に築かれており、デジタル化の全体像と社会の変化への影響を考慮している。社会の全ての領域は、デジタル化が浸透したため、プログラムはITセキュリティー研究において、技術的問題と社会的問題の両方を考慮した。このため、技術ベースのイノベーションに加えて、研究資金提供も、プライバシー問題、データ保護そして自己決定にフォーカスしている。その狙いは、これらの需要にかみ合ったヨーロッパスタイルの研究とともにイノベーションを開始することであり、それによりドイツとヨーロッパの将来の技術的主権を守り、それを重要なカギとなる領域で拡張する。これに到達するために、BMBFはすべてのカギとなるターゲットグループとなる、研究コミュニティと産業界からの利害関係者と市政、将来のデジタルテクノロジーの利用者との継続的な対話を通して、研究資金を助成する。

 ITセキュリティーのための国立研究センターは、BMBFによって開始されたダルムシュタットのATHENE、カールスルーエのKASTEL、ザールブリュッケンのCISPAがあり、ドイツにおける素晴らしいITセキュリティー研究の中心的柱となっている。プライバシーの分野では、BMBFが資金提供した「プライバシーフォーラム」が、法律的、倫理的、社会的、技術的な様子について、根拠の十分な声として確立され、また「プライバシープラットフォーム」としてさらに拡大されるだろう。将来、非人格化研究ネットワークは、匿名化と技術的データ保護の質問を一つにするだろう。量子コミュニケーションの分野では、QuNETイニシアティブが先導している。QuNETの狙いは、ドイツにおける量子コミュニケーションのための試験的なネットワークの技術を発展させることである。それは、盗聴不可能で、不正開封できないようなデータ伝送を確実にすることを提供するだろう。これらのように成功をおさめたプロジェクトはさらに新しいプログラムのもとで拡張されるだろう。

 研究フレームワークプログラムの開始は、最初の資金提供ガイドラインの発出と同時に起こる。その告知「スマートホーム、製品、機密性の高いインフラにおけるIoTセキュリティーへの資金提供を受けた研究プロジェクトのためのガイドライン」は、いわゆる「Internet of Things」を家、稼働中で機密性の高いインフラをさらに安全にすることを意図されている。この資金提供で、BMBFも継続的に、ドイツにおけるこれらのIoTシステムのためのITセキュリティの分野の専門知識と価値創出を強化しようとしている。

https://www.bmbf.de/bmbf/shareddocs/pressemitteilungen/de/karliczek-mit-exzellenter-it-s-uer-eine-sichere-digitale-welt.html