2022年度海外特別研究員オリエンテーション兼キャリアフォーラム
日時:2022年11月10日(木)
場所:Gustav-Stresemann-Institut(ボン)及びオンライン
イベント開催報告
令和4年度採用海外特別研究員(ドイツ語圏派遣者)を対象にしたオリエンテーション兼キャリアフォーラムを開催しました。本イベントは、渡独して間もない海外特別研究員が研究滞在を円滑かつ効果的に進められるよう、過年度からドイツに滞在している海外特別研究員や在独日本人研究者とのネットワーク構築の機会を提供することを目的としており、参加者からの好評を受けて、平成28年度から継続して実施しています。
新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの対面開催となった今回は、対象者を海外特別研究員に限らず、在独もしくはドイツ語圏での研究活動に興味を持つ若手研究者等に広く拡大し、オンラインでも配信を行いました。当日は現地参加17名(令和2年度及び3年度採用海外特別研究員含む)オンライン33名が参加しました。
開催にあたり、始めに林センター長による歓迎の挨拶があり、続いて現地参加者全員による自己紹介及び研究内容の紹介が行われました。次に、ミュンヘン大学・グループリーダーの川上直人先生より、ドイツにおける研究環境やキャリア形成、若手研究者に求められる素養などについて、ご自身のご経験に基づいて講演が行われました。続いて、ミュンヘン工科大学・教授の井上茂義先生より、ドイツの多様化するキャリアパスやグラント及びポジション獲得について質疑応答を交えながらご講演いただきました。ドイツの学術界の第一線でご活躍される両講師から具体的な実例を交えたご講演をいただき、参加者は熱心に聞き入る様子が見られました。講演終了後には、参加者から多くの質問が上がり、ドイツの研究環境及び今後のキャリア形成について活発な意見が交わされました。ご講演間のコーヒーブレイクでは、参加者同士での交流も積極的に行われていました。イベント後半には、JSPSボン研究連絡センターの田村国際協力員からJSPS国際事業や各日本人研究者ネットワークの説明があり、最後に、ドイツ語圏日本学術振興会研究者同窓会の理事会委員の持丸栞氏から、日独学術交流支援の取組について紹介がありました。
オリエンテーション後の情報交換夕食会においても、講演者の先生方を囲んで引き続き盛んな意見交換が行われました。海外特別研究員は渡航時期や専門分野も様々であり、所属研究機関もドイツの各地にあるため、専門分野を超えて派遣者同士が知り合う機会は限られています。海外特別研究員以外の方も含めて、今回のようなイベントにより共通の興味・課題を抱える若手研究者同士が知り合い、今後のキャリア形成に関する情報交換の機会を持つことで、ドイツ語圏での研究滞在がより実り多いものとなることが期待されます。